蛇神[前編]
禍々しい"ナニカ"と共に。
幼げな少女は現れた。
結界はビリビリと波打ち、敷地に入る際には、
一瞬。少女が何処か、痛そうな表情を見せた。
少女「こっ、こんにちわ、、」
「こんにちわ。
お待ちしておりました。」
最近は、休日にも対応をする事が増えてきた。
良い言い方をするならば、自らがそのレベルまで、
対応する事が出来る様になった。と捉えられよう、、
だが。悪く言うならば、休みが無い。
又。普通の日よりも危険で、更には神経を使う。
少女は落ち着かない様子で、そわそわとしている。
いつもの様にお茶菓子を出そうとしたが、
年齢が若い事に気付き、別の飲み物と菓子を出した。
「どうぞ座って下さい。」
立ちっぱなしの少女に声を掛ける。
少女「はっ、はいっ。」
変な空気が流れた。
部屋には、幼い少女と私だけ。
気まずい。
一般論的にまずい。
別に疚しい事や考え等は一切、無いのだが、、。
「少し、席を外しても宜しいでしょうか?」
少女「はいっ、、」
「良かったら、召し上がって下さい。」
少女「頂きます、」
本当ならここで。間に妹に入って貰いたいものだが。
語尾の台詞とか、著作権的なモノを調べても分からないので、
もう少し調べてから出てきて頂こうと思う、、。
でも、方言とかで普通に使うし、、。
そこら辺。すごくシビアで、結構難しい。
だから妹よ。
もう少し。待っていてくれ、、
妹「、、、、。」
ゴゴゴゴゴゴ。
by作者。
と。なると、昼寝している、大狐に頼むしかない。
「あの、、すいません、、。」
大狐は機嫌が悪そうに、私を睨む。
大狐「なんだ。青臭いの。」
「ちょっと、お客さんが来てるんですが、、
少し。問題がありまして、、
出来れば、近くに居て貰いたいんですが、、」
深いため息をしながら、身体を掻く。
大狐「はあ。
別にこれから取って食う訳じゃないんだ。
お前に、"祓って欲しくて来た"んだろ?
そんなんだから駄目なのさっ。
それに。問題があるのは、"お前さん"なんじゃないか?」
「すいません、、。」
言ってる事が次々に。グサグサと突き刺さる。
ほとほとと、少女の場所へと戻ると。
大狐は付いてきていた。
大狐「私は高いよ?」
そう言い。私を値踏みするかの様な顔をする。
「精一杯。尽力させていただきます。」
大狐「よろしい。」
「すいません、お待たせして。」
少女「大丈夫です、、。」
大狐は、少女の近くに居た。
少女は気にする様に大狐を見る。
大狐「私の事は、そう。気になさらず。
早く。事情を、説明しなさんな?
さっきから、脚が痛いんだろう?」
鋭い目付きに、何かを察された様で、
少しびくびくしながらも少女は話し始めた。
「私の家は、とある宗教の信仰をしていて。
それなりに、信者の方々が居たのですが。
ある時。お金に目が眩んだ信者が他神を信仰し始め。
元々居た信者すらも奪って行ってしまったのです。
それから、あろうことか。御神体の像を。
その者達が『邪神』として、壊してしまったのです。」
大狐「あららあ。
これだから、人間は、、。
それで。そうなった訳ね。」
大狐は脚を見る。
少女は何かを隠す様にする。
大狐「大丈夫。
こいつには、見えてないから。
それより、見て分かるけど。
蛇だろ?」
まるで臭いを払うかの様に、仰ぐ。
少女「えぇ。
私達一族は、
『蛇神様』
を信仰しています。」
大狐は私を見る。
「こりゃ、下手すりゃ。
お前さんにも、この呪いが掛かるかもね。
このくらいの低級なら、
私が喰ってやらない事も無いんだけど。
それでも、印が付けられてるからねえ、、
逃げる様にして、違うのに護って貰うしか無いね。」
少女「えぇ。
兄が同じ様に、違う方に祓って貰ったのですが、、
力が強力なうえに。その祓った方まで、、。」
また凄いのが来てしまった。
正直。そう思った。
少女「ですから、今回も、、。」
少女は俯く。
きっといろんな場所をたらい回しにされて来たんだろう。
私の顔色を見ながら少女は何とも言えない顔をした。
少女「あの、、。無理に祓わなくても良いんです。
私達が。蛇神様のお家を壊し、更には、侮辱したのです。
当然の報いだと、、。
そう、思っています、、。
『許して頂こう』
等。
都合が良すぎます、、」
すると、珍しく大狐がフォローした。
大狐「蛇神の気持ちは、分からなくはない。
それに。お嬢ちゃんの気持ちも理解した。
大丈夫。
この青臭いのが何とかしてくれるさ。」
そう言い。少女の頭を撫でた。
大狐「じゃあ私はこれで。
お前さんの煙草は臭くてね?
お嬢ちゃんも聞いてると思うけど。
嫌なら断るんだよ??
世間様は受動喫煙だのにうるさいからね。」
少女「えへへ。
大丈夫です。
私のお父さんが吸ってましたし。
それに、、。
何だか。安心するんです。。」
そう言い、初めて表情を緩めた。
大狐「じゃあ。
ちゃんとやりなよ?
でなきゃ私が喰っちまうからね。」
釘を刺すかの様に念を押す。
"呪い"は厄介だ。
祓う方にも、『代償』が必要となる。
大狐「またね。お嬢ちゃん。」
そう、言うと部屋から出て行った。
覚悟を決め、集中する。
深く深呼吸をし、気合いを入れる。
「よしっ、、。」
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