師弟



まさか、この俺が。




弟子を取るなんてな、、






ふと。そんな事をボヤいてみる。






「まったく、、人使いの荒い弟子だ。」






アイツは"あの人"の子供。




唯一。俺が託された、、






『あの人の。"願い"だから、、』






思い出したくもない記憶が出てきた序でに、




流れでアイツとの出会い話でもするかね、、






一応。言っておくが、




ここで俺が話すやつは、"大体"だ。




各々。正式な名称があり、




"本当の"役目や役割がある。




だが、んなもんは、どうでもいい事だ。






俺にとっては『過去のモノ』




でしかないのだから、、






以上を踏まえて話を進める。






業界には、定期的な集会がいくつもある。




俺とアイツの出会いはそこだった。






集会っつってもまあ。




"お披露目会"みたいなもんだ。






家はこいつが継ぎますよ、とかの。




後は能力の自慢したり、




情報交換したりだのの場だ。






メインは功績の発表。




何でもそうだが、要は、"結果"。




それを残した奴等が、協会から、




表彰手形や、褒賞金が出される。






手形は多い程に仕事の信頼が上がり、




地位と言ったもので括るなら、




数で証明される事も少なくはない。




金は、、士気を上げるアプローチ。






手形は後々いろいろと融通が利くし、




地位に関係無くあった方が良い。




手形を翳す者も居るが、




手形を持たなくても実力のある奴は多い。




だが、一番厄介なのはこうゆう奴だ。






上を立てる目的があるか、裏で操ってるか、、




どちらにしろ、注意が必要だ。






そんで、話が戻るが、自分の能力や、




方向性に行き詰まった若いのが、




こうゆう時に自分の師匠を探す。






同時に、本家や大元と呼ばれる、




名の知れた場所から、逆に、




スカウトされる事もある。




その際。組織へ加入等もある。






協会は大元が仕切ってるやつで、




掟を定め、この業界を纏める所。




遥か昔からこの仕事をし、




役員は頭のお堅い奴等ばかりだ。






だが、こいつらのお陰で、




俺らみたいなもんは生きていける。






俺は別だがな、、






まあ、力も、権利も絶大にある。




掟は確か、、




同業者を殺さない。




協会から、直接。組織に与えられた仕事を、




他の同業者が奪ってはならないとか、、






よく覚えてない。




知らん。めんどくせえ。






協会には殆どが加入し、




年間で決まった金を払うが、




その分。何かあった時には、




きちんと保証される。




ここは、表よりもしっかりしている。






"唯一"良い所なのかも知れない。






入らなくても良いが、間違いなく、




協会を敵に回す事になる。




半強制と言うやつだ。




同時に、"掟"が通用しなくなり、




同業者同士の殺しが許される。






『ダカラ大元ヲ潰ス事モ可能ニナッタ、』






組織はその中グループ。




"本家"とも呼ばれる。




文字通りだな。




目的や意志が同じ奴等がつるむ。






個人でやるよりも、組織だと、




内容にもよるが、仕事が早く終わる。




それに、回ってくる仕事もデカい。




後は協会から手当てが出たりだとか、、




まあ、皆で仲良く出来るなら、




気の合う所に入った方が安泰ではある。






更には、いろいろな能力を持つ者が居て、




互いの勉強にもなる。




組織にもよるが、定額で貰える場所もあり、




俺みたいに個人で取るよりは楽かもしれない。






そして最後に。




"引き抜き"




ってのがある。




要はスカウトだ。




別名『家業潰し』とも呼ばれている。






家が家業だからと言って、




自分の所を継ぐとは限らない。




継ぐ者が居なくなれば、




その家の"能力"や地位は無くなる。






どちらかと言えば、家元ではなく、




『能力』が真の目的なんだがな。






ここが"ミソ"。






能力によっては、持主。元の能力者を殺して、




他の誰かがそれを継承する事が可能な場合がある。




そしてこれを本家や大元が"結果的"に吸収し、




力や権利を保ち続けるのだ。




これが真実であり、真相である。






『同業者殺し』






勿論。表立ってやってちゃ、




協会や組織の存在自体。




あやふやなモノになりかねない。




だから頃合いを見て、事故に見せ掛ける。






それ程。この世界は汚く、歪んでいるのだ。






そんな事をしていれば、自然と恨みを買い、




能力者狩りや、本家潰しが絶えないのも、




必然とも呼べるだろう、、






だから"俺みたいな者も生まれちまう、、"






「せめて、弟子ぐらいは守らないとな、、




でもまあ。家族が強いから大丈夫だろう。




それに、大狐も居るし。






多分。本気で大元とやり合ったら、




協会ごとぶっ壊せるレベルだろうよ。






だもん、"異端"言われるわな笑






早く終わりにして帰りてえ、、」























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