能力
私には師匠がいる。
この能力は師匠から教わったものだ。
大抵。『能力』と呼ばれる、
"特別な力"はその家の血筋により、
代々引き継がれる。師。又、伝える者は、
先代となる場合が殆どである。
その中で稀に、
先代の能力とは異なる場合や、
特別な力を持たない者が、
時として、産まれてくる事がある。
そういった私みたいな者は、
一族の中では嫌われる立ち位置にある。
蔑まれ、恥じられ、馬鹿にされる。
それ程。血筋や、能力といったものは、
こういった家業では大事なのだ。
だが。面白い事に、私達は皆。
"それら"に該当した。
元からここの家系は代々そうらしい。
こうして、この世界の者や、
古き良き風習とかで、私達家族は、
『異端』とされている。
こういった場合。親族で揉めるのだが、
代々そうなので、別に何も無かった。
皆。『干支継ぎ』で亡くなった。
皆で一緒に居ないのは、
それらが原因のひとつでもあったりする、、
母の能力は憑。姉は術。姉妹は神。
私は物。妹は特だ。
これらが全てでは無いが、師匠曰く、
仕組み的なモノは一緒らしい。
憑:憑依系。
自らに神や悪魔。人や霊魂。獣や動物といった、
他者を宿らせる事で、力を発揮させる。
憑依者と憑依する者には相性があり、
無理矢理行うと、精神や身体に異常をきたす。
又、憑依後。身体を乗っ取られる場合もある。
そうならない為には強力な精神力が必要とされる。
術:術士系。
自らを鍛え、学び、修行する事で扱える様になる。
又。後継する事で次第にその力は強くなる。
後継せずとも、独自に力を身に付けた場合。
仕様や条件を含んだ様々な効力を得て、
多種多様で、複雑な術を発動する事が出来る。
術士には、札や印。呪文等の、様々な術式があり、
姉さんの場合は、特殊系にも該当する。
呪術は名の通り、"呪"を扱う為、効力は絶大だが、
場合により、自らが死に至る事もある。
神:神仰系。
信仰し、神々に仕える事で、加護され、
御力を御借りする事が出来る。
無論。信仰心がきちんと無ければ、
それらは扱えず、神を疑う事等許されない。
同様に、悪魔を信仰する者らもいるらしい。
上位の方程。信仰の度合いもあつくなる。
制限、契約により、力も同様に強くなる。
姉妹は言うまでもないが、御稲荷様である。
物:物質系。
物を扱い、それによって能力を発揮させる。
私はこれに該当する。
物と人には、個性による相性があり、
向き不向きを含め、適性がある。
又。物が同じでも、使う者により能力は異なる。
中には呪物を扱う者もいる。
その場合。副作用も必ず起こりうり、
使用者は最悪の場合。死に至る。
特:特殊系。
上記に該当しない特殊な能力。
3つ以上の能力が使える者は特殊系になる。
個性的な能力は大体特殊系らしい。
妹は特殊系。
能力は不明。
能力は無数にあり、知れば知る程。役に立つ。
その能力の対処や対抗するのに、
最低限の情報は必要になる。
そう、師匠にはよく言われた。
同業者は、私達の様に、
人々を救う者達だけではない。
地位の争いや、能力を絶えさせたり等、
中には平気で人を殺める者達まで、、
こういった事は表に出ないだけで、
直接手を下さない殺し合いは、
日常的にも行われているのだ、、
『お前もいずれ何処かに付くだろう、
この世界は"めんどくせえぞ、、"』
そんな事を師匠は口癖の様に言う。
明日は師匠が来る日だ。
面子さんの件について、
師匠なら知ってるだろう、、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます