第2話 抱いてェ……✨🥺✨✨💕

「ねえェ……!!」

 不意にアリスは、ギュッとボクに抱きついてくる。



「は、はぁ……、ちょッ、ちょっと、そんなに密着しないでください……😫💦

 お願いですからァ……!!」

 思わず、ボクは悲鳴を上げた。



 本来なら美少女のアリスと抱き合えて嬉しいのだが今は、ちょっと都合が悪い。

 なにしろボクの股間は緊急事態発令中だ。

 


 なのに、またボクを挑発するようにアリスはボクの二の腕へ柔らかなオッパイが押しつけてくる。

 

 一気に、下半身が燃えるように熱く火照ほてってきた。



「ねえェ、ルー……✨🥺✨💕

 お願い。ギュッと抱きしめてェ!!」 

 なまめかしく潤んだ瞳でボクを見つめた。


 しかも兄嫁の手がボクの敏感な部分へ伸びてくる。



「えェ……😳💦 だ、だ、抱きしめてッて。ダメですよ。

 そッ、そんなことできません!!」

 いくら可愛らしくても、兄貴のお嫁さんを抱くなんて言語道断だろう。



 マイルドヤンキーの兄貴はアリスの他にも両手に余るほどセフレがいるが、ボクは兄貴と違って、いたって誠実で真面目な性格だ。



 不倫など人の道にもとるようなことは決してできない。


 だがビッチな兄嫁は容赦なくボクを誘ってくる。


「ルー!! お願いだから✨🥺✨✨💕」

 さらにアリスは長い脚をボクの下半身へ絡めてきた。胸も腰もピッタリと密着してくる。



 まるで、女郎蜘蛛が蜘蛛の巣に掛かった羽虫を長い脚でとらえて餌食えじきにするようだ。


 このままだと、下半身からパックリべられそうだ。



「うッわァァ……😫💦 た、助けてくださいィ……!!」

 これ以上の濃厚な接触はお子様たちには、お勧めできない。


「なによ。意気地なしねえェ……。

 ルーッたらァ!!」

 妖しく腰をうごめかして迫ってくる。


「あッああァ……、アリスさん……😫💦」

 どんなに、抵抗してもアリスの毒牙にかかってしまうのだろうか。



「ダメよ……✨🥺✨✨ アリスッて呼び捨てにしなさい!!」



「あッああァ……😫💦 ヤバいですから!

 こんなトコを見つかったら、兄貴に殺されますよォォーー!!

 アリスさン……!! それ以上は!!

 ちょッ、ちょっと待ってください」

 現在いま、ボクの下半身は痛いくらいビンビンに興奮状態エレクトしていた。



「あァ〜ら、もちろん待たないわ!!

 アリスは待たされることと、過激なベッドシーンでオッパイすら、見せようとしない映画女優が大嫌いなのよ!!」



「どこのア○デミー賞を狙っているんですか!! これ以上、濃厚接触しないでください……😫💦」

 下半身を押しつけられるとヤバい。


 なにしろパンツを脱いでタオルケットを上に掛けただけなのだ。

 

 ボクの股間のポ○ットドラゴンは剥き出しの露わな状態だ。

 地上波では、決してお見せできないだろう。



「ねえェ、私が寝るまで、ちゃんと抱きしめていてェ……✨🥺✨✨💕」

 ヤケに可愛らしく甘えてくる。

 


「えェ、ちゃんと抱きしめて……😳💦」

 そんな過激なことを言われても。

 全身が硬直してしまいそうだ。



「怖いの……✨🥺✨✨💕 ルー!!」

 アリスは不安そうな表情を浮かべた。



「えェ、怖いッて、なにがですかァ……」

 ヤンキーの彼女に怖いモノなどあるのだろうか。


 なにしろ彼女は、【ワイルド ビーナス】と呼ばれ半グレ ヤンキーもいちもく置くほどの武闘派のレディースだ。



 アリスの見た目は、アイドルみたいに華奢きゃしゃ体躯カラダつきだが、幾多の修羅場をくぐり抜け、向かうところ敵無しと言われている。



 女の子の友達を無理やり酔わせ、レイプしようとしたプロレスラーのような兇悪な半グレヤンキーを相手にし、足腰の立たなくなるまで、ボコボコにしたと言う『伝説の美少女』だ。



 素手でのストリートファイトなら百戦錬磨だと言う話しだ。



 実は、聴いた話しによると兄貴も極悪ヤンキーに絡まれている所をたまたまアリスに助けて貰ったらしい。



 なにしろ兄貴は、相手が美少女ならどんな素性でも構わず手を出してしまうタチの悪い男性オトコだ。 


 手だけではなく、他にもいろいろなモノを出してしまう。

 特に、美少女を相手に股間からネバネバとした白い欲望のエキスも出すので厄介だ。



 手当たり次第にナンパしラブホへ連れ込んでバッコンバッコン合体していく。


 この界隈では、『湘南のドン・ファン』の異名を持っているくらいだ。

 

 だが、悪いことは出来ないモノだ。

 ナンパした美少女が半グレの極悪ヤンキーの彼女とも知らず、合体ライブをしている所を踏み込まれたらしい。


 さすがに兄貴も半グレの極悪ヤンキーとは事を構えたくはないようだ。



 その半グレヤンキーから逃げ回っている所をアリスに助けられ、九死に一生を得たらしい。



 だが兄貴は、それだけで済むような男ではない。



 お礼と称し言葉巧みにアリスを食事に誘い、さらに気心が知れた所でラブホへ連れ込んだらしい。


 ラブホに連れ込めば兄貴のテリトリーだ。後ろから前からバッコンバッコンと合体してしまったようだ。



 殴り合いのケンカでは歯が立たなくても、ベッドでの寝技に関しては兄貴の方が一枚も二枚も上手ウワテみたいだ。



 圧倒的なテクニックで、美少女ヤンキーを陥落させた。




 しかしそんな兄貴も年貢の納め時だ。



 一度でもアリスに手を出してしまえば、もうのがれる手立てはない。

 遊びで抱いたなどという誤魔化しは、いっさいかない。


 とうとう兄貴も諦めて、アリスと結婚したようだ。



 しかし、そんなこわいモノなしのヤンキー美少女のアリスにもおそれるモノがあると言う。



「ねえェ、さっき……、テレビでやってたホラー映画を観たでしょ」

 アリスは弱々しい声で囁いてきた。



「えェ……😳💦 あァ、【都市伝説】殺人事件ですか」

 血に染まったような紅い月の夜に、凄惨な殺人事件が起こるというスプラッターホラー映画だ。



 『血まみれブラディファントム』と言う謎の殺人鬼がヒロインら美少女を次々に殺戮していくというスプラッター映画ムービーだ。 


 十分に、ひとりは美女が血祭りに上がると言う触れ込みで、全編血まみれのホラームービーだった。



 確かに、いま思い返しても背筋が凍るシーンがあった。


 特に映画のクライマックスで、『ブラディファントム』が仮面を取ると、ヤケドを負ったケロイドの素顔がおそろしかった。



 『金○一耕助の犬○家の一族』のスケキヨ並みの特殊メイクだ。

 見ている最中、アリスは悲鳴を上げボクに抱きついてきた。


 どうやらホラー映画が苦手みたいだ。



「ルーと一緒に観てる時は、それほどこわくなかったんだけど……。

 ベッドでひとり寝ていると急に、あの時のブラディ・ファントムが襲いかかってくるみたいでェ……✨🥺✨✨」

 アリスの心臓がドキドキしているのが伝わってくる。

 思った以上に怖がりなようだ。



「いやいや、ブラディ・ファントムなんていないから!!

 大丈夫だってェ!! 心配いりませんよ」

 なんとか落ち着くようになだめてみた。



「マジで……?! 心配ないの✨🥺✨✨」

 かすかに、アリスの身体が震えている。



「ええェッ、それより、ちょっと……😖💦」

 ボクの下半身のポ○ット・ファントムの方がだ。

 

 


「お願い。ルー!! ひと晩じゅう抱いてくれないと寝れそうにないからァ……✨🥺✨✨」

 ウルウルと甘えるように瞳を潤ませた。



「いやいや……、ひと晩じゅうッて、あのですねえェ。一緒に寝ますから……、ちょっと身体を離してください」

 マジでヤバくなってしまう。



 こんなエッチでビッチな美少女にひと晩じゅう迫られたら、最後の一線を越えてしまいそうだ。






 ☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚






 アリスとは今日の昼間、久しぶりに再会した。五、六年ぶりだろうか。

 兄貴のお嫁さんとしてだ。


 


 ボクの知っているアリスは、まだヤンキーになる前の黒髪で可愛らしい美少女の頃だ。

 ショートカットの似合うキュートな女の子だった。



 当時から大きな瞳で笑顔が抜群に魅力的でチャーミングだった。

 


 ボクの二歳年下なので、兄貴とは五歳年が離れている。


 彼女が小学校六年生の時に知り合った。


 その頃からずっとアリスに取って、兄貴は『憧れの王子様』だった。


 確かに、見た目はプリンスと異名を取るくらいカッコ良い。


 だが、やっていることは品性下劣で、とてもではないが王子様とは


 兄貴が中学二年生の頃から週末にはフェスティバルが開催され、美少女たちと危険な遊戯あそびに興じていた。




 アリスもご多分に漏れず、兄貴に憧れるグルーピーの一人だった。









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