5- 50Gの朝
【GM】 :さて。そんなわけでラブコメの夜を過ごし、朝です。
メルリルは、リュシアンの膝枕で寝ているということでよろしいんでしょうか?
メルリル :よろしいです!
【GM】 :ところで、リスラムも睡眠を必要としないので、読書をしながらあなたたちの会話を一晩聞いていたかもしれません。
**********
馬車から降りたリスラムは、膝枕されているメルリルの姿を見て、面白そうに微笑む。
リスラムが「おやおや。なかなか見せつけてくれますね」とにこにこしながらリュシアンに話しかける。
リュシアン:本をぱたんと閉じて、人差し指を立てる。
「さっき寝たところなんで、もう少し寝させてください」
メルリル :「んんーー……あとごふーーん……」
リュシアン:「それにしても……盗み聞きとは人が悪い」
リスラム :「おや、メリアだから睡眠を必要としないと言ったはずですが? 見張りをしないというだけですから」
リュシアン:「そうですか。それなら文句は言えないですね。とはいえ……パーティーの他二人はわからないでしょうから、どうかご内密に」
リスラムは内心で「ティアさんに後で教えたら面白いかな…?」と心の中で思いつつ。
不意にからかっていた雰囲気をおさめて、真剣な顔つきになる。
リスラム :「しかしあなたも物好きですね。言っては悪いがあなたは残り数年しか生きられない、短命種。それに対して、彼女はあと数百年は生きるエルフ。あなたはよくても、彼女はそのあと、残されるというのに」
――それは、同じメリアとして出た言葉だった。
リュシアン:困ったように笑いながら、その問いかけに答える。
「そこは許してくれないか。彼女より先にいく僕にはこれくらいしか彼女に尽くす方法を知らないんだ」
リスラム :「なるほど……」難しい顔で思案していたが、ふっといつもの穏やかな表情をし、わざとらしく明るい声音になる。
「ま! 人それぞれメリアそれぞれ植物それぞれですからね! お節介ですが、少しでもその思いが彼女に伝わればいいですね」と悪戯っぽく笑いかける。
リュシアン:「本当に……早く伝わればいいんですけどねぇ。これでも結構伝えてるつもりなんですけどね?」と頭をかきながら悩む。
リスラム :「そうですね、なかなか頑張って伝えてたと思いますよ」とくすくすっと笑う。
「さて、そろそろティアさんとハクマさんを起こさないと僕が怒られてしまうんですが……そのメルリルさんの恰好を見られたくなかったら、なんとかしたほうがいいんじゃないですか?」と、いまだに膝枕されているメルリルを指す。
リュシアン:「起こすのは彼女に悪いですから、僕がここからどくとします」と言ってゆっくりメルリルを枕に寝かせようとする。
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【GM】 :あ、メルリル、MP回復していいよ。
メルリル :いいの? やったあ!
【GM】 :膝枕で寝たんだから回復するに決まっている! だって膝枕だもん!
ティア :裏でこっそり聞き耳判定で二人の会話が聞けているか判定します……(コロコロ)17 これは聞けてないかな……。
【GM】 :えー、いきなり聞き耳判定されてますが、まぁそれだと抜けてないかな。馬車と見張り番で離れているだろうし。
ハクマ :GMー! リュシアンがメルリルを膝から枕に移し終える前に起きることができたか、先制判定していい?
【GM】 :お、いいですねぇ! やりましょう!
リュシアン:まてまてまてまて
【GM】 :達成値を決めなきゃな……この場合リュシアン早く動けたかどうかだから、回避力判定してもらおうかな?
ティア :それだと高速でメルリルの頭を動かしたってことになるんじゃ?
【GM】 :じゃあ隠蔽判定をリュシアンに振ってもらおう。隠蔽判定はレンジャーと器用度ボーナスでどうぞ。
隠蔽判定で出た数を、ハクマが先制判定で抜いたら、膝枕シーンを見れたということで!
リュシアン:なんでこんなことに!……(コロコロ)9 出目がふるわん!
ハクマ :……(コロコロ)22【6.6】 あっ、クリティカル!
リュシアン:ここでクリティカル!?
【GM】 :まさかの6ゾロ!? えー、6ゾロ出したので自動成功です! やったね!
リスラムがティアを起こしにいっている間に、ハクマはリュシアンがメルリルの頭を自分の膝から枕へと移そうとしているその瞬間を目撃します。
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ハクマ :「リュシアン…もしかして……ついに思いを告げたのか?」
リュシアン:指を5本立てて「50G。これでどうです?」
ハクマ :「そんなこといってもなあ…ティアも気づいてると思うしなぁ…」
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ティア :呼ばれたのでもう一度聞き耳判定!……(コロコロ)21!
【GM】 :では「50G」のところだけが聞こえました。
リュシアン:何で聞こえてるんだよ!?
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ハクマ :「でもまあリュシアンが隠したいっていうなら、安心料として? 50Gで手を打つことはやぶさかではないぞ?」
リュシアン:「わかりました。ちゃんと支払いますから」
ハクマ :「そうかわかった。俺はここではなにも見ていない!」
リュシアン:「よろしくお願いしますね?」といってポケットを漁ると、ちょうど50Gぽっきりのお金が出てくる。
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【GM】 :あ。そうだリュシアン、所持金50Gしかなかったじゃん。50Gって今のリュシアンの全財産じゃん(キャラシを確認しながら)
リュシアン:えっとですねえ……慌てて「50G!」って言ったんだけど、よくよく考えたら……全財産だった……(キャラシを確認しながら)
【GM】 :えー……リュシアンはこれで無一文になります。
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リュシアン:ポケットから50Gをとりだし、ポイッとハクマに投げる。
ハクマ :「お前、これ、全財産じゃ…そこまで隠したかったんだな。
わかった! オレは約束は守る男だから安心しろ!誰にも話さねえ!」と宣言して、ちゃっかり50Gをポケットに仕舞いこむ。
ティア :「ん-? なんか50Gとか聞こえましたけど、何があったんです?」と馬車のほうから起きだしてくる。
リュシアン:その声が聞こえた瞬間、ティアに見られないように素早く用意した枕にメルリルの頭を移す。
「ええっと、ハクマさん。前に借りてた50Gを返す、そういう話でしたよね!?」
ハクマ :「そ、そうそう、そうなんだよー、前にリュシアンに貸して……ん? 貸し……でいいのか? 貸してたんだよな?」
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ティア :はいっ! そのハクマの言葉に真偽判定をします!
【GM】 :はい、この場合の真偽判定の目標値は……真偽判定の対抗ですね。
リュシアン:なんでそこで真偽判定するんです!?
ティア :だって今のハクマの発言すごく怪しくなかったです?
【GM】 :怪しかったですねえ。
お互いの達成値を比較するので、ハクマとティアは冒険者レベルと知力ボーナスでふってください。
ティア :というわけで……(コロコロ)20 どうだ!
ハクマ :OK、知力な! …(コロコロ)16 負けた!
【GM】 :これはハクマが嘘をついているとティアは見破りますね。
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ティア :「なーんか怪しいやりとりしてますけど……正直、ハクマさんに詳しく問い詰めなくてなんとなく察しはつきますからいいですよ」とリュシアンと寝ているメルリルを見て呆れた顔をする。
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リュシアン:じゃあ真偽判定必要なくなかったかぁ!?
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ティア :「ほら、さっさと朝食食べて行きましょう、リスラムさん」
リスラム :「おやおや。新婚夫婦の朝はもっとイチャイチャする時間が必要って本で読んだ気がしたんですけどそんなことなかったですか?」
リュシアン:「っ! それは気のせいですっきっと記憶違いですっ!」
リスラム :「そうですかそうですか。まあ朝食を食べて出発しましょうか」
メルリル :「ん……? ああ、私いつの間にか寝ちゃったんですね。ごめんなさいリュシアン。わざわざ枕まで用意してもらっちゃって…」と目をこすりながら起きだす。
リュシアン:「ああいえいえ。夜中までつきあっていただいたので、これくらいは」
メルリル :「やはりあなたは優秀な冒険者ですね!」
リュシアン:「そういってもらえると……照れますね……」
メルリル :「さすがリーダーです!」
リュシアン:「リーダー……そう。ですね……リーダーですから……ええ……そ、それでは……朝食を食べて……出発しましょうか……!」
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