6-メリアのミリカ


【GM】  :それでは、きっと伝わらないことに悶々としているリュシアンや意に介さず「おいしいですね~」とメルリルがホクホクご飯を食べつつ、「貸し……と借り……ってどっちがどっちだ……?」と悩むハクマを呆れた様子で眺めながらちゃっかりお代わりを食べるティアたち四人とリスラムは朝食を終え、出発します。


向かう先はマンドレイクの薬草畑、の管理人であるメリアの家。

メリアは植物の扱いに長けているので、その特技を生かす形で、ギルドと共同で薬草畑を管理しています。


道中は特に何事もなく平和なまま、森を進み、目的地に到着します。



**********



 森を進んでいくと、木漏れ日が降り注ぐ、こじんまりとしたレンガ調の可愛らしい家が見えてくる。花壇らしきものがいくつもあり、丁寧に世話をされている様子だ。

 リュシアンをはじめ4人は馬車を降り、家の前に立つ。


リュシアン:「では行ってみましょうか」と先だって、扉をノックする。


 「はいはーい」という言葉とともに、扉が開く。

 中からは頭に花飾りをつけたような――いや、本物の花を咲かせた、メリアの少女が出てくる。

 一目見れば、可憐、という言葉が浮かぶだろう。しかし――。


ミリカ  :「はいはいはいはーい!! どうなさったんですかー? どなたですかー? どんなご用事ですかー? なにかありましたかー? うちはなにもないですよー? でもお茶はないけどワインならありますよー!(可憐さどこ行った? というくらい怒涛の勢いでまくし立てる)」



**********



【GM】  :メリアの短命種らしい(?)せっかちな性格で早口のミリカです。

ですが、いいですか皆さん、このメリアの少女はとてもかわいい容姿をしています。いいですか、想像してください。セッションで大事なことは想像です。


――荒事には無縁そうなたおやかな手、陽だまりのような淡い金髪、そして太陽のような笑顔。そしてメリアの象徴である瑞々しい桃色の花はまさに今が盛りと言わんばかりに咲き誇る――。

(※GM注:思いっきりメリア贔屓のキャラ立ち絵を出しながら)


ハクマ  :うん、かわいいな


メルリル :これはかわいい


リュシアン:守りたい、この笑顔


【GM】  :うむうむ。そうだろう。そうだろう。

(※立ち絵はGM手書きなので半強制的に可愛い設定を刷り込んでいる)


ティア  :なんか怖いんだよな、このNPC……


【GM】  :ええ!? ティアさんなんで!? なんでぇ!?


ティア  :いや……なんか……気に食わない……なぜだ……

(※GM注:ひたすら「なんでだろうな…」と自分で不思議がりながらも、このティアのミリカに対する好感度マイナスが物語の影響に…?)



**********



リュシアン:「本当ですか!?ワインがあるんですかっ…ぐふっ」


メルリル :「(リュシアンの顔をどけるように押して)すみません、私たち妖精剣士さんの冒険者さんを探しにきてまして。こちらに尋ねていらっしゃいませんか?」


ミリカ  :「妖精剣士さんー? ?うーん……うーんうんうんうんー? 来たかも来てないかもー? というかーあのーあなたたちどなたでしょうかー?」


メルリル :「ああ、すみません。私たちは探している妖精剣士さんのギルドのものです。こちらギルドマスターからの紹介状です」とギルマスからの紹介状を差し出す。


ミリカ  :「あー! スオウさんのとこの冒険者なんだー!なるほどなるほどー! えーとなになに……んー? うん-? あなたたち、マンドレイクの薬草畑にいくの?」


メルリル :「はい、そのためには管理人さんの許可が必要とお聞きしたんですけど……」


ミリカ  :「えー?? マンドレイクは危ないから抜いちゃダメだよー!? あ、管理人はー、わたしのことだよー!」


メルリル :「管理人さんでしたか! 思っていたよりお若かったので気づかず…。そちらに書いてある通り、ギルドマスターからマンドレイク収穫の依頼を受けているのですが、それでもダメでしょうか…?」


ミリカ  :「(首をかしげて一人で悩んでいる)うーんうーんうんんうんん-。危ないんだけどなーでもスオウさんが言ってるんだもんなー。どうしようかなどうしようかな。簡単な地図でも書いてあげようかな。どうしようかなー? あ、とりあえず家にはいる? あ! 自己紹介忘れてた! わたし、ミリカっていうの!」


メルリル :「妖精神アステリアの信徒、メルリルと申します。」


リュシアン:「ご丁寧にありがとうございます。私はリュシアン・ルーキエ。同じメリアです。よろしくお願いしますね」


ミリカ  :「あ、やっぱり同じメリアなんだ! (賑やかな声から一転、声を潜めて)というかあなたも……短命種、だよね?」


リュシアン:「(意に介さずあっさりと)はい、そうですよ」


ミリカ  :「ふうーん。そっかー……」と言いながら、リュシアンとメルリルの耳飾りをちらちらと見る。


メルリル :髪を使って耳飾りを隠しながら、

「ミリカさんもというと……短命種のかたなんですか?」


ミリカ  :「うん。そうだよー! わたしはここらへんで産まれたんだけど、お父さんやお母さんとかわからなくって……もともとここの薬草園を管理してたメリアの人に育ててもらったんだ―!

それで、今はわたしが引き継いでるの!」


メルリル :「それは……ご苦労なさったんですね……」


ミリカ  :「ホントは冒険にも興味があるんだけど……ここを守らなきゃいけないから外に行けないし……。でもねっ! だから、スオウさんとか冒険者のひとから冒険の話聞くのが好きなの! 短い期間しか生きられないから、いろんなこと聞くのが楽しいの!」と明るい笑顔でそこそこ重たい話をする。


メルリル :「そ、そうなんですね……」


ミリカ  :「あっ! 私の話ばっかりごめんね! えーと、そちらのお二人はー?」


ハクマ  :「ああ、オレはハクマっていうんだ。よろしくな!」


ティア  :「(素っ気なく)どうも、ティアです」


ミリカ  :「ハクマさんはリカントでー、ティアさんはレプラカーン? すごいね、いろんな種族がいるパーティーだね。楽しそう!」


リュシアン:「(笑いながら)ええ、飽きがこないメンバーですよ」


ティア  :「(厳しめの声で)さ、そんなことより仕事の話をしましょう?」


メルリル :「それでですね、先程の妖精剣士さんの話なんですけど、彼もギルマスからマンドレイクの収穫の依頼を受けていたので、おそらくこちらに伺ってると思うんですが…」


ミリカ  :うーん、と首をかしげて顔をくもらせて

「妖精剣士さん……男の人?」


メルリル :「ええ、男性の人間です」


ミリカ  :「うーん、うーん、いやー知らないかなー? 見てないかなー? ホントにうちの薬草畑に行ったのかなー、まだ行ってないとかじゃないのかなー。 まあわたしもあとで薬草畑にいくから見てみるねー!」


メルリル :「そうですか……あ、あと私たちがマンドレイクを収穫してもよろしいでしょうか?」


ミリカ  :「えっ!? 勝手にとってったらダメだよ!? 危ないもん!」


メルリル :「それで許可をこうしてとりにきてるんですが…」


ミリカ  :「あー! そうだったー!」


メルリル :「私たちは妖精剣士さんを探しながら、マンドレイクは4本程度だけ収穫する予定ですよ。ご迷惑をおかけするつもりはありません」


ミリカ  :「そうだなー? そうだねー。4本くらいならいいかなー? あそこって昔から盗賊のひとたちがぐわぁーーって乱獲したりするから困ってるんだよねー。

あ、ところでみんなはマンドレイクの抜き方とかわかってるの? 大丈夫?」


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