4-野営地での会話、またはラブコメ、または刹那の
【GM】 :そんなこんなで、再度パーティーは馬車に乗り込みます。もう少しで野営地です。
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リスラム :「使い魔飛ばしてますけど、今はオーガ以外のモンスターいないので安心してください。このまま野営地につくでしょう」
リュシアン:「それじゃあ、またよろしくお願いしますリスラム」
リスラム :「ええ、野営地の準備が整ったら酒を飲みましょう」
リュシアン:「ええ、もちろん! 早く飲みましょう!」
ハクマ :「仕事中だが……いいのか?」
メルリル :「ダメですよ! 明日に響いたらどうするんですか!」
リュシアン:けらっと笑って「大丈夫ですよ、意外と二日酔いはしないタチなんです」
メルリル :「どうしてそんな自分の体に自信がもてるんですか? ……あと数年しかい生きられないのに。まったくもう……」とぐちぐち言っている。
リュシアン:「残り数年の命でも、肉体は今が最盛期なんで」と言いながらも、メルリルの心配している様子を見て苦笑する。
「リスラムさん、ごめんなさい。お酒飲めなくなっちゃいました」
リスラム :「かまいませんよ。僕はメリアの長命種らしく、細かいことは気にしませんので。気が向いたときにでもまた。……でもリュシアンさん。ずいぶん素敵な彼女がいるみたいですね?」と悪戯げにニヤッと笑う。
リュシアン:嬉しそうに笑いながら「ええ、そうなんで……」
メルリル :リュシアンの言葉を遮る勢いで「なに言ってるんですか! そんなことないですよ!」と大声で止める。
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ティア :メルリルの言葉に真偽判定行います!
【GM】 :その言葉になんで真偽判定をしたかわからないけど面白いからOKです。二人の対抗判定です。高いほうが勝ちです。
メルリル :真偽判定は冒険者レベル+知力ボーナスなんで、ボーナス12で抵抗判定ですね。
……(コロコロ)16
ティア :……(コロコロ)14 抜けませんでした!
【GM】 :ボーナス12はつえーわ……。
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ティア :「ほらほら。照れてないでさっさと行きますよ?」
メルリル :「別に照れてないです!」と言って、「むーーっ」っと怒りながら馬車に戻る。
リスラム :「いやあ……」首を傾げつつ、ティアのほうを見て「リュシアンさんとメルリルさん。あんなわかりやすい耳飾りつけてるのに……隠してるつもりなんですか?」
ティア :「まあ、あの二人ですから? ほうっといてあげましょ」呆れと疲れで溜息混じりに「深くつっこんでめんどくさくなるほうがめんどうってもんですよ」
メルリル :「ふーっ」とまだ猫のように怒っている。
リュシアン:「メルリル、機嫌なおしてくださいって。夜、お酒飲む時間もなくなりましたからしばらく時間とりますよ?」
メルリル :「あ、ほんとですか! 美味しいごはんなら歓迎ですよ」
リュシアン:「任せてください。しばらくご飯を趣味にしてたこともあるので」
メルリル :「士気を上げるのも大事ですよね! ……ただし」
笑顔で浮かべながら、きっぱりと断言する。「お酒はダメですけどっ」
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【GM】 :そんな和やかな会話をしながら、馬車ががたがたと進んでいき、今日の野営地へつきました。夜です。
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リスラム :「さて……みなさん。夜の見張りはどうしますか?」
リュシアン:「メリアは睡眠を必要としませんからね。僕がしましょう」
リスラム :「わかります。メリアですからね!」
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【GM】 :これをしたくて馬車で1日の距離にしたところがあります。
SWでは睡眠によってHP、MPが回復します。ですが、連続3時間の睡眠は必要であり、おおむね全快するのに6時間必要です。ですが森や草原など、街の外で野営する場合はもちろん見張りをたてなくてはモンスターや盗賊の襲撃の危険があります。
夜9時ごろに就寝、朝6時に起きるとして、3時間ごとに見張りを交代するなどが定石でした。
――少なくとも2.0の世界までは。
ですが、2.5から登場した種族、メリアは……なんと睡眠を必要としません!
植物が人間になったことにより、睡眠をとらなくても、次の朝にはMPが快復する、という種族特徴があります。
今までどういった睡眠ローテーションにするか、毎回頭を悩ませていたのですが
「大丈夫、メリアだから!」
この一言でこれまでの旅の問題の一つが解決することとなりました。
個人的にはこれを「画期的なアップデート!」と呼んでいます。
メリアすごい! すごい! 一緒に旅をする時になんて心強い!
そんな私がキャンペーンで使用しているメリアのPCは、今御者をやっているリスラムです。なのでGMはメリア贔屓です。
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メルリル :「え、じゃあ、エルフも睡眠いらないから見張りします!」と主張するようにバッ!と手を挙げる。
リスラム :「え? エルフも睡眠必要としなかった、っですっけ…?」
ティア :「リスラムさん、野暮なことはつっこまないほうがいいですよ?」
リスラム :「僕もメリアなので見張りをしてもよかったんですが……」リュシアンとメルリルの二人を見比べる。
「馬に蹴られちゃいけませんからね。僕もお休みさせてもらいますね」
といって面白そうに笑いながら馬車のほうへ戻る。
ティア :「それじゃハクマさんもいれて、私たち3人は馬車の中で休ませてもらいますね」
ハクマ :「二人の邪魔をしちゃいけないからな。いつもこんな空気になるのはわかってるんだ!」
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【GM】 :ところでメルリル。寝ないならMP回復しないけどどうする? 三時間くらい寝れば回復すると思うけど
リュシアン:話しながら途中で寝ちゃうとか?
ティア :ひざまくら!
ハクマ :ひざまくら!
【GM】 :じゃあ膝枕して寝るってことでいいかな?
リュシアン:メルリルさんがいいなら……
メルリル :私はやぶさかでも……
【GM】 :じゃあそういうシーンのロールプレイをお願いします!(混じりけのない喜悦の声で)
リュシアン:え、そうなるの!?
【GM】 :夜、見張り中の会話のところからどうぞ!
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リュシアン:焚火を眺めながら「無茶しなくてもいいんですよメルリル。君は睡眠が必要でしょう」
メルリル :「私は今日そんなにお仕事してないですし。大丈夫ですよ」
リュシアン:「そうですか。ではじゃあ、じゃあしばらくのあいだ話でもしましょうか。何の話します? しりとりでもしましょうか?」
メルリル :「そうですね……今回の管理人さんがメリアということらしいですし。せっかくですから、あなたの出生について興味があります」
リュシアン:「出生ですか?不思議なところに興味を持ちますね」
メルリル :「私たち知り合ってやっと一年くらいです。あなたの寿命は確かに10年ばかりですけど……私はその前の、あなたの貴重な人生の半分を何も知らないんですよ?」
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リュシアン:えーっと、メリアってどう生まれてくるんですか?
【GM】 :メリアは不思議な種族で、短命種も長命種もどっちも種から生まれます。基本的に子育てされません。同族の大人のメリアがみんなで幼いメリアを手助けして食事とかのお世話をします。だからお母さんとお父さんとかの意識は基本ないと思います。
また、短命種、長命種、どちらも花や植物が体の一部に咲いています。メリアの特徴ですね。なので大体見たらメリアとわかります。
短命種は種を土に埋めてから一週間ほどで大人になります。寿命は10年程度。ずっと若く美しい姿で、命が尽きる数日前からしおれ始めて土にかえります。
逆に長命種は種をうめてから一年ほどで幼児の姿で産まれて、20年ほどかけて大人になります。300年程度生きて、だんだんと肌がかたくなって樹木になります。
基本的に短命種はせっかちで明るく、長命種はおだやかでのんびりした性格が多い傾向があります。
一応伴侶を求めて旅をする個体もいますが、基本他種族では子をなせません、でも他種族と恋をするメリアもいます。
はい、メリア推しによるGMの解説でした。
リュシアン:なるほど。ちなみのここのロールプレイはどれくらいまで?
【GM】 :面白いところまでお願いします。裏でボスデータをちょうせ……あれこれしているので、みんなでロールプレイをしていてください(GMによる無茶ぶりという名の丸投げ)
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リュシアン:「出生といっても面白い話はありませんよ。集落で産まれて、そこで育って…ずっとそこの集落にいてもよかったんですけど、やっぱり人生そう長くないですからね。なんとなくいろんなところを旅してたんです」
メルリル :「そんなにいろいろ旅をしてて、どうしてここに滞在するって決めたんですか? やっぱり町の景観ですかね。綺麗ですし」
リュシアン:そこで初めて目をふいっとそらす。「そうですね……一目惚れ、ってやつですかね」
メルリル :「一目惚れ?」きょとんとした顔をしてから嬉しそうに。
「そうですね、私も神様に一目惚れでしたからね! わかります! あれですよね、ビビっときちゃうんですよね!」
リュシアン:頭をがしがしってやって「そう、です、ね……そうなんですけどね、ええ。……伝わってないですねこれは……」
メルリル :「どうしました?」
リュシアン:目をそらしたまま、ぽつぽつと語る。
「大事な人……その一目惚れした人を、この人生がもつ限り、守り抜いてみたいと思ったんです。
僕よりよっぽど長く、何百も生きるその人の、その中の小さな十年を、僕が守っていきたいなって、それだけですよ」
メルリル :「そうですか……10年で一体何ができるんですかねえ」と髪を触りながら首を傾げる。
リュシアン:そらしていた目をメルリルに合わせる。
「少なくとも、あなたを守ることができる」
メルリル :「……そうですね……」髪をいまだに触りながら、リュシアンのほうには目を向けない。
「いろんなところを旅してきたんですから、もっといい場所とかいい人とかいなかったんですか?」
リュシアン:「ここよりいい”場所”はいっぱいありましたけど……」
メルリル :「そうです、か」
リュシアン:真剣な顔、真剣な声でつぶやく。
「この身がもつ限り、あなたの長い人生のその一瞬だけでも傍にいれたら……」
メルリル :「私もあなたの傍にいますよ?」首を傾げて、楽しそうに笑う。「なんてたって私たち、パーティーですからね!」
リュシアン:頭を抱えて「そうですね、パーティーですからね……あー……」伝わってないことに呻きながら、やけっぱち気味に叫ぶ。
「そうですねそうですね! そうですよ。守りますよ! なんてたってパーテーですからねえええ!」
メルリル :「あなたが守ってくれるおかげで、いろんなところを冒険できて私、ほんと幸せですよ」と笑って、リュシアンの手を握る。
リュシアン:「そ、そうですかっ……それならよかった。……よかった、のか……?」伝わらないことに落ち込みつつ、話題を変えようとする。
「えーっと…ああそうだ! 最近面白い本を見つけたんです」
メルリル :「本ですか、あなたも本を読むんですね」
リュシアン:「ええ、まあ、誰かに影響されて……なーんて」
メルリル :「ふむふむ。それでどんな本を読んでるんですか?」
リュシアン:「エルフのかたが書いた本でして……」とパラパラと本を開き、メルリルと一緒に焚火の灯りの中、静かに本を読んでいく。
**********
【GM】 :はい、よろしいですよ! いやあ、ラブコメでしたね。
リュシアン:くそぉっ伝わってねえ!? え、これ伝わってないの!?
メルリル :そんなわけないじゃないですか。
【GM】 :鈍感系ヒロインかと思いきや、策士系ヒロインだな。
リュシアン:リュシアンは少なくとも伝わってないと思っています…。
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