第465話 国家警察軍
この圧倒的な力と現象の前に、もはや議会はおろか、世界からの異論は無かった。
俺は、最後に、俺たちのグループだけで、世界が持つ3つの決定権全てを独占してしまう事に対して、議会の反対承認があれば、それらを剥奪出来る権利を議会に提案した。
もちろん、人類側には何らデメリットのないこの提案は、満場一致で可決され、俺たちは期待していた以上の成果をもって、戦場に帰ってくることが出来た。
「凄いなシズ、あんな事が出来るんだ?」
「以前の私だったら無理です、私の中の空間を時空転移するだけしか出来ませんでしたからね、でも、リサとの融合で、それを世界レベル、、、、っというか時空レベルで出来るようになったんです」
時空レベル?、、、、お前、何したんだ?
「はい、、、、その、この宇宙の時間を12時間ずらしました」
、、、、、は?、、、、宇宙全体の、、、時間、、、だと?
なんだか、もはや何でもありなのか?
シズとリサって、そんな事出来るんだ。
しかし、議会を納得させるために、宇宙の時間軸を変化させるなんて、危ないことするな、帰ったら説教しないと、、、神様に説教して、俺、大丈夫なのか?、、、、嫁が神様ってのも、困りもんだな。
「父さん、私たちの防衛線も、もう限界のようです、流石にこの人数では、、、、ホイエとマナの二人がやられました、現在、頭部を守って動かないよう指示しています、ほかにも機動不能なのも何人か出ています」
「了解した、議会は収穫ありだ、戦線を立て直す、もう俺たちだけで戦う必要はないからな」
俺は、この大規模な破壊と蹂躙を、戦術的に食い止める方法を模索していた。
先ほどまで、キル・ザ・ドールに対抗できる組織は、我々レジスタンスだけだったが、今や新世界政府の全権が俺たちに移った。
つまり、世界中の軍事組織を、俺が統括して、この事態に対応できる、ということだ。
「GF、ご提案があります、私を参謀に加えては頂けませんか?」
突然、話しかけてきたのは、先ほど議会で俺を援護してくれた、ハンス・ロンメル議員だった。
「ロンメル議員、先ほどは助かった、どうして君は、私の側に付いてくれるんだ?」
「ええ、実は、私の祖先が、マーシャン・ディッカーソンには戦時中、色々とやられましてな」
ああ、そう言えば、なんだか言っていたな。
初対面の頃は、気の強そうな議員だと思っていたが、この際味方は頼もしい。
「私もこの通りの性格ではありますが、これでも軍歴はありますし、お役に立てるかと」
俺はロンメル議員の申し出を受けることにした。
いくら我々電脳体の演算処理速度が人類の遥か上位であったとしても、電脳体と人類を繋ぐハブは必要になる。
彼ほどの強引さであれば、意思決定から実行までの速度は速くなるだろう。
「早速だが、これを全世界の国家警察軍に配布して、各地の作戦計画を徹底してくれないか、1時間でだ」
ロンメル議員は、かなり驚いた様子で俺に聞いて来た。
「まさか、、、この作戦図と計画を、これほど瞬時に?、いや、、、いくら何でも考えられない、非常識だ」
元軍人であれば、俺が出した作戦計画の速さは、異常に映る事だろう。
だが、俺の脳のスペックはほぼ無限大だ。
リサやシズが、計算のバックアップをしてくれている。
現行人類からしたら、それは瞬時に見えるんだろうな。
実際、この作戦計画を人力でやろうとしたら、一つの局面だけでもCPXから作計まで4日はかかるだろう。
俺だって、生身の頃は、これに随分時間をかけたものだ、将校の仕事の、ほとんどメインと言えるからな、作戦立案は。
「お父さん、部隊の後退が完了しました、でも、奴ら、どんどん迫っていますよ、大丈夫ですか?」
そうは言っても、時間との勝負だな、国家警察軍の実力は、未知数だからな。
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