第459話 この世界を愛して
シズが生きている、いや、蘇った?、そんな事、どうして?。
「「シズ」は、私が宇宙を再構築している過程で、強い光を発していたので、直ぐに解ったんです、私は私の愛と、シズの愛で満たされています、だから、この世界は「愛」によって構成されているのです」
「、、、君はリサなのか?、シズなのか?、ちょっと混乱するのだが」
「私は今、リサでありシズでもあります、現行人類には少し理解しにくい概念ですが、自我の外側に行けるのは、次の次元に到達した種族だけですから」
「なら、俺は君の事を、なんて呼べばいいんだ、シズ、俺は君の事を愛していたんだぞ!、もう、君を離したくない、頭が混乱しているが、もうどこにも行かないでくれ、いいだろ、シズ」
「もちろんです!!、雄介様!」
その時、俺は強烈な違和感を感じた。
雄介、、、、斉藤雄介、そうだ、俺の名前だ、、、、
どうして、今まで忘れていたんだ?
「サルベージの時に、一緒に付いて来たんですね、私は忘れてなんていなかったですよ雄介様!、生前には、一回しか呼べなかったですからね、、、、ずっとお呼びしたかったんですよ、またお呼び出来るなんて、、もう一回、、、雄介様!」
なんてことだ。
第三次世界大戦で破壊されてしまった生前の記憶が戻っている。
そうだ、俺の名前は斉藤雄介、日本国国防軍少佐、一般大学出身のU幹部将校、神奈川県小田原市出身、、、凄い、凄いぞ、記憶だ、これは凄い!
「ああ、、、、それと、なんだか色々順番が逆だが、俺たちの子供達も紹介しないとな」
「大丈夫ですよ、私はシズでありリサでもありますから、リサの記憶と人格は、しっかり維持出来ています」
そうか、紹介なんて必用ないよな、、、しかし、複雑な人間関係だな、これって浮気にならないのか?
「大丈夫です、なんだかその概念も懐かしい感じがしますね、私は未来から来て、既に自我と人格と人権を持った状態でしたから自我が強く出てしまいますが、私と融合したって言っても、二人が一つになった訳ではありません、そもそも、リサは、、、、全てのAIと、そして、上下階層の創造主ともリンクしています、なので、全ての人の中に、リサは存在しているようになるんです」
いやいや、それは同期しすぎだろ、それこそ、ちょっと浮気じゃないか?
「もう、デリカシー無いんですね!、違います、恋いは独占欲が強いですけど、愛は無制限に広がるものなんです、リサは、この世の全てを「愛」で包んでいるんですよ、だから、私自身も今は、愛で満たされているんです」
なんだよ、愛、愛、って、尾崎 豊じゃないんだからさ。
だけど、この強い、そして切ないほどの愛情、なんだか経験あるぞ。
「GFは経験があると思います、いつぞやに貴方様が夢だと思っていた時、あの時に、GMが直接貴方に触れた時、あの時です」
そうか、あの時、、、シズが戦死した翌日の夜だったよな。
そうだ、覚えている、あの狂おしいほどに切なく、愛に満ちたあの強烈な感覚。
そうなんだ、あの時にGM、つまり存在としてのリサは、俺の事をずっと見守っていてくれたんだな。
もちろんシズも、今やそのことをよく理解していた。
「はい、ようやくお会いできました、リサという概念は、この世界に充満した愛そのものです、だから、私はこの世界を愛しているのです」
「なんだよ、浮気者だな、俺のことも、、、その、、、」
すると、彼女は、シズの顔で、悪戯っぽく、とても嬉しそうに笑いながら、抱きつき、
「もう、雄介様ったら!、かわいい!」
と言い、激しくキスをした。
そして、俺は、シズが戻って来たんだと、改めて実感すると、彼女を抱き返し、二人はいつまでも強く抱き合った。
こんなに嬉しい事はない、、、俺も生き返って良かったと、心の底から思えた。
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