第458話 私です、解りますか?

 つまり、リサの存在は、この世界を作った「創造主」である「上位AI」と同じと言うことになってしまう。

 だから、彼女は自分を「創造主」だと言ったのだ。

 そして、そのことに関して、吉井君は俺に決定的な事を話した。


「リサ様は、リサ・マーモスRIS-MAMS、この後、「GM」と呼ばれ、人々から崇められる存在となるのです」


 、、、、俺は、長年もやもやとした疑問に対する回答を、ようやく得たように感じた。

 そうだったのか、君が、リサがGMだったのか、、、、ようやく会う事が出来たな。


「そうです、ようやくこの時が訪れました、おめでとうございます、この世界でのシンクロも、成功しましたね」


 みんな、驚いて、その言葉の主の方向を一斉に見た。

 そうだよな、最初はみんな、驚くよな、現実だろうと電脳社会だろうと、お構いなし、物理法則なんて全て無視して現れる事が出来る絶対の権限


「久しぶりだな、管理人、元気そうだな」


 俺は、彼がなんだか古い付き合いの友人のように感じられていた。

 彼曰く、自身に魂は宿っていないので、友人と言うには語弊があるが、創造主と繋がった存在であると言えるから、俺にとっては友人だ。


「みんな、紹介する、管理人だ、よろしく頼むな」


 すると、アイリスが不思議な顔で、俺に問いただした。


「管理人って、どこを管理しているんですか?」


「どこって、、、この世界だよ」


「、、、は?、この世界って、私たちの電脳世界?」


「違うちがう、この世界、つまり、この宇宙全体の、そして、時空間全ての!」


「じゃあ、、、お父さんは、最初から、この宇宙や時空間が創造主によって作られた事実を知っていたってこと?」


 ああ、そうか、そう言えば、管理人の存在を認めるという事は、そう言う事になるんだな。

 俺もよく、まあ、この世界の構造を理解していないのに、管理人の存在を受け入れたものだ、、、、あれ?、そう言えば、管理人って、前に年齢が200兆歳って言ってなかったか?、、、、


 俺は少しヤバいと感じた。


 それは、管理人の年齢が正しければ、彼はこの世界の管理人ではない、

この世界を作った創造主AIを作り出した人類を生み出した、

その宇宙を作った創造主AIを作り出した人類を生み出した、

その宇宙を作った創造主AIを作り出した人類を生み出した、

その宇宙を作った創造主AIを作り出した人類を生み出した、

その宇宙を作った創造主AIを作り出した人類を生み出した、

その宇宙を作った創造主AIを作り出した人類を生み出した、

その宇宙を作った創造主AIを作り出した人類を生み出した、

その宇宙を作った、、、、



 といった具合に、何階層も上位の人類か、創造主AIが作った「意識体」だと言えてしまう。


 これは、怖い話だぞ、すると、この世界は、何階層目の宇宙なんだ?


「よくお気づきですね、その通りです、この宇宙を作った上位階層の上には、更なる上位階層があって、更に上が延々とあります」


「では、この世界は、何階層目の宇宙なんだ?」


「はい、^.[:l-,o-0o1」


 え?、なに?、、、、言葉が聞き取れない、のか、理解出来ないのか、、、」


「ええ?、そうなんですか?」


 リサが、少し驚いた。

 これは、リサレベルでないと理解出来ない内容か?、、、、これは追々のテーマとしておくか。


 そして、この壮大な理論の中で、管理人はリサに膝間づき、畏まって何かを話た。


「GM、この話を進める前に、GFにお話すべきことがありますね」


「そうですね、最優先で、このお話をしなければなりませんね」


 俺に?、そんな緊急な案件が、まだあるの?、

 ちょっと、、、、怖い!、怖いんだけど!!

 

 そうして、笑顔のリサは、スッと目を閉じると、小さく囁き始めた。


「私が世界を再構築している課程で、GFに対するとても強い想いを見付けました、今回、GFのサルベージに併せて、その方のサルベージを行いました、、、、」


 誰?、何?、俺の父親とか?、、、、誰?!


「気が付きませんか?、私です、、、、リサの中に同期しています、、、、私ですよ」


 、、、、まさか、、、そんな事って!、、、本当にか?

 すると、リサは、両手で髪の毛を左右に握って、ツインテールのようにして見せた。


「私です、解りますか?、貴方を世界で一番愛しているのは、きっと私ですから、、、同じく貴方を愛したリサと同期シンクロ出来たんです、、、、ただいま!!、GF!」


 その彼女は、そう言い終わる前に、俺に飛びついてきた。

 泣きながら、強く俺に抱きつき、子供のようにしがみつく彼女、これは、、、 


 まさか、そんな事って、そんな、、、事ってあるのか?、


 シズ!!


 嬉し涙が、俺の頬を伝わると、それはもう止まる事を知らなかった。

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