第68話 マキュウェル メイ ドットス
些かオテンバが過ぎる姫様に手を焼いた国王が、姫のどうしてものお願いを聞いた形となったが、まさか本物のドラゴン相手に挑むとまで思っていなかった二人は、マキュウェルの行動力にすっかり圧倒され、そして困り果てていたところに、俺たちが現れた、ということだった。
「それにしたって、いくらじゃじゃ馬娘とはいえ、本物のお姫様を、本物の冒険に出すなんて、この国の国王は肝が据わっているな」
「まあ、国王様の真意には、一人娘の夫となる屈強な男性を探す旅、という狙いもあったかもしれませんよ」
リラルが意味深げな笑いを浮かべながら、俺のことを見つめる。
、、、え?、なに、この間は?
しかし、そんなことをしなくても、国王ともなれば屈強な男など、国中から選び放題だろうに。
『GF、エラーノリターンの解析がだいぶ進みました。やはり、この国の行く末を動かすことにエラーノリターンポイントの座標が位置しているようですね」
『、、、まあ、そうなんだろうな。しかし、この国の未来を、簡単に変えることなんて出来ないだろうし、これは玲子君と二人で行う事なんだろ?」
『そうですね、美鈴と二人でないと意味がありません」
俺はこの後の展開と方向性が見定めかねていた。
現世の第3次世界大戦を、元の時間軸へ戻すくらいのインパクトだから、この世界での改竄もかなりのものだろう。
シズの解析が、この時代の、この場所を示したということは、この近くに最もそれが可能な要素があると言うことなんだよな。
『雄介様、、、、大丈夫ですか?」
『ん?、何がだ?」
『いえ、、、、その、何でもありません」
なんだ? 玲子君が意味もなくメッセージするのは珍しいな、何か思うところでもあるのか?
『本当に鈍いですねGFは。ここまで条件が揃ってくれば、美鈴が何を気にしているか、解りそうなものですけどねー」
『、え、ちょっと、何?、解ってるなら教えてよ。時間もあまり無いんだろ?」
『は~っ、もう、じゃあ、言っちゃいますよ、美鈴は、この世界の改変目標が、GFとマキュウェル姫の結婚というゴールではないかと懸念しているんですよ。わかります?」
えー、、それはないでしょう、だって、マキュウェルは、俺の事なんて何とも思って、、、、いない、、、こともないのか?
姫の礼装に着替えてからの、マキュウェルがこっちを見てくる目が、なんだかしっとりと潤んでいるんだよな。
、、、そう言うことなのか?、玲子君の女性の感が、それを教えるのか?
、、、、え、俺、この国の王様になるとか言うオチじゃないよな、いや、さすがに帰るぞ、元の世界に。
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