第62話 ドラゴン撃退祝勝会

「さっそくだが、みんな集まったので、これよりドラゴン撃退祝勝会を始めたいと思います」


 剣士の彼女がそう言うと、楽しい宴は始まった。

 腹ペコだったこともあり、運ばれてきた料理は予想通り抜群に美味いものが多かった。

 ビール、なのか、宴会だから当たり前だが酒も運ばれてきた。


「それではここで、自己紹介をしよう!ではまずは私から。私はマキュウェル、剣士をしているわ、よろしく」


「私はリラル、回復担当です」


「私はムスキ、魔術使いです」


 ん、んんんんー、魔法使いみたいの、いたー!

 おいおい、ここはエラーサイトだろ、元々同じ世界が分岐しただけだろ、なんで魔法の概念があるんだ?


「失礼、あなたは、その、魔法使いですか?」


「はい、初級ですが、魔法を使います」


「私はこの分野に詳しくないのですが、魔法ってどの程度のものが使えるのですか?」


「ちょっとしたものですが、火を出して周囲を明るくしたり、少し水を出したり、、、、程度です」


 いや、彼女は悲観しているようだが、俺からすれ

ば、それって凄まじいいぞ。

 

「その、魔術とは、何かコツがあるんでしょう?」


「はい、そもそも学校があって、免許を取得しないと違法魔法となります、違法で強い魔術を使っている人も大勢いますが、その人達は、公的なお仕事には使えませんね」


『おい、玲子君、これってどういうことなんだ?過去には魔術があったってことか?]


『そうですね、ここまであからさまでは無いにせよ、それに準じたものは古代には存在しています、多分知ったら驚きますよ]


『しかし、そんなものがあったとして、どうして無くなってしまったんだ?]


『そこが、過去への介入理由の一つでもありますが、ロストテクノロジーって聞いたことありますか?]


『昔にあって、今では無くなってしまった技術のことだな、、、あ、そう言うことなのか?、これもロストテクノロジーってことか?]


『はい、そうです。魔法以外にも、意外とあるものなんです、例えば石の加工技術などは最も顕著に失われていますし」


 ああ、そう言えば巨石文明って、解らないことが多いよな、たしか、ローマンコンクリートなんて、何を混ぜているか解らないくらいらしいしね。

 、、、まさか、それって全て魔法関係か?

 それって、大発見だよな、最初にそんな過去を見た未来人は、びっくりしただろうな。


「魔法の技術は、私も学ぶ事ができるだろうか?」


「魔法に興味がおありですか?仕事としてのプロ魔術使いは何年もかかりますが、アマチュアでやっている人もいますから、お試しすることも出来ると主言いますよ。」


 ムスキさんは、大人しそうに見えるが、魔法の話になるととてもキラキラしているな。

 同じ東洋人っぽいし、親近感が沸くし、どことなく玲子君に通ずるものがある。


「出来れば、ムスキさんに教わりたいのですが、どうですか?」


 俺のその一言に、周囲が一瞬凍り付いた。

 俺はその意味が分からず、固まっていると、シズが耳元で囁いた。


「GF、、、みんなどん引きしてますよ」


「え、なんで?、俺、変なこと言ったか?」


「、、、GFって、意外と鈍いんですね、彼女たちはGFのことを、命の恩人として、、、、要するに男性として好意を持ち始めているんですよ。そして彼女たちはGFと美鈴が恋人同士だと勘違いしています」


 ん?、なんで俺たちは付き合っているみたいなことになっているんだ?、、、、


「GFは、まだお気づきになりませんか?、、、さっきの熱い包容を見れば、みんなそう思いますよね、、、。」


 あー、あれか、、、、たしかに!

 でもさ、あれって、玲子君が一方的に抱きついてきた訳だし、、、。


「だからこそ、なんですよ。みんなGFと美鈴の関係を計りかねているわけです!」


 シズは、ちょいちょい、俺の深層心理を覗きながら話するから、怖いんだよな。

 慣れてくると便利だけどさ、、、大丈夫か、これも玲子君にダダ漏れ、、だよな?


「いえ、問題ありません、大丈夫です、何も気にしてません。私が勝手に雄介様に抱きついただけですし、恋人でも何でもありませんので。」


 いや、これ、絶対に怒ってるって。

 、、、しかし、女心が見えると、解りやすいものだな。

 合コンの時とかって、俺は空気読めない係りだったしな、今更反省だよ。



※ 女剣士「マキュウェル」の設定資料です  ↓

https://kakuyomu.jp/users/wasoo/news/16817330668315885214

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