第61話 嫉 妬

 玲子君が換金を終えて帰ってきた。

 俺は、さっきまで試していた、体内ディバイスの能力を試していた。

 

「玲子君、シズから聞いたが、この体内ディバイス、なんだか便利だが、この機能を使えば君とも会話をせず、秘密に意思疎通出来るんじゃないか?」


「ええ、雄介様、そうなんです、一応SIZを通じてにはなりますが、相手が何を考えているかを飛ばし合うことができるんです」


「では、さっきのパーティが来たとき、それを試してもいいか?」


「はい、いずれにしても、そのようなことになると思いますわ」


 そう話していると、さっきのパーティのメンバーが着替えて戻ってきた。

 、、、ほうほう、これはまた、どうして、なかなかの美人ぞろいではないか!。

 さっきの剣士は、防具を外すと、意外と出るところは出ていて、白人系美人の典型か?ちょっとロシア人のような印象を受けるな。

 この魔法使いみたいのは、地味な印象だが東洋人だろうか、玲子君と同じく少しハーフに見えるな、この娘もまた、、いい!

 最後の、ヒーラーっぽい彼女は、看護師のような癒し系か、ブロンドの巻き髪に清楚な顔立ち、ほうほう、なかなか良いではありませんか。

 そして最後に、玲子君は、、、、あれ、怒ってる?


『はい、怒っております雄介様』


 あれ?玲子君?の声が聞こえたよな、今、、、。

 あーーーー!、そうか、俺が考えていることも、なんとなく伝わる仕組みなのか。これは!

 ダメダメ、シズ、ここはその機能、カットして!


「えー、何でですか?、一応、美鈴が考えている部分は、それっぽく加工してGFに聞こえるようにしていますけど」


 ああ、さっきのは、玲子君の言葉ではないのか。

 それにしても、音声の再現って凄いな、本人かと思ったよ。

 、、、、でも、怒っているのは本当だよな、、、何で?


「いえいえ、それは好きな男性が別の女性を褒め称えれば、普通の女性は嫉妬しますよ、女心ってやつです」


「いや、でもさ、玲子君は普通の顔しているけど、、、」


「そりゃ、周囲からは悟られないようにしますって。GFはこのディバイスを使い慣れていないから、人の奥深くに入りすぎなんですよ」


「でも、シズは何でもお見通しなんだよな」


「それはもう、何からなにまで。でも大丈夫です、私は嫉妬したりはしませんので」


 便利なのか不便なのかはわからないが、慣れるまでは考えるのもダメってことか?そりゃ酷な話だわ。


『玲子君、、聞こえるかい?、換金の方はうまくいった?』


『はい雄介様、当面の生活には何も困りません、お金は大丈夫だと思います、、、お金は』


 、、、、ああ、やっぱり怒ってるよな。

 違うからな、エロい目線で彼女たちを見ていたわけではないぞ、俺には君しかいない、そう、玲子君しかいないんだ。


 、、、、あ、今度は玲子君の顔が少し赤くなった。


 そうか、強く念じると、それは言葉のように解されて伝わるんだ。

 ってことは、今のも伝わった、という事か?

 ちょっと恥ずかしいけど、今回の帳尻合わせには、このくらいが丁度いいのか。

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