第31話 あの、その、この状態って、わたし、
「君は、男女の、その、、そういう事には慣れているのかもしれないが、、、恥を忍んで白状すると、私は、その、女性との経験がまだだから、今のシチュエーションには困惑してしまうのだ」
「まあ、雄介様も、ご経験が無いのですね」
何をあっけらかんと、、、ん? 雄介様も、、、、ってことは、玲子君も未経験者ってこと?
「君も、男女の、そういう行為は未経験なのか?」
「はい、もちろんです。相手がいませんので」
あー、そうか、逆なんだ。
あまりに男性が周囲にいなさ過ぎて、裸で寝ることがどういうことか理解出来ていないだけなんだろうな。
そして、きっと玲子君の時代には、就寝時、何も纏わず寝るのが一般的なのだろう。
つまり、俺自身は、布団や枕と同程度の扱いか、、、。
彼女に、このシチュエーションが、この時代のどんな場面に該当するのか話したら、倒れそうだな。
「玲子君、ところで、私は、なぜ、服を着ていないんだ?」
「それは、さきほど雄介様がマッサージを受けながら、お眠りでしたので、そのままですが」
「そして、君は、私の隣で、寝ていたと」
「そうですね、このサイズのベッドは、二人用と聞いていましたので」
「、、、100年後では、それは当たり前かもしれないが、この時代で、若い男女が同じベットで裸で寝る行為を、何と言うか知っているかい」
彼女は少し考えて、考えて、考えて、、、、、思いついたらしい、、、、今のこの現状を。
「た、大変失礼しました、そうですよね、私ったら、、、、あの、その、この状態って、わたし、自然妊娠とか、してないですよね。」
ああ、俺はやはり男としてあまり認識されていないようだな。
彼女からしたら、いつものように、ベットに入った、広さもあるし、ベットは一つだから、何の疑問も抱かずに、このまま夜を明かそうとしていた。
あっぶねー!
彼女の言葉を借りるなら、自然妊娠してますよ、普通は。
俺がヘタレでなければ、君は今頃、経験済みの女性になっているところですよ。
「玲子君、君はもう少し経験豊富なのかと思っていたが、、、そう言えば、玲子君は、今、何歳なのだ」
「はい、19歳です」
あれ、、、年下?え、結構大人びているから、何歳か年上だと思っていたよ。
えー、じゃあ、問題ないじゃん、、いや、あるけど、20歳と19歳なら、普通だよな。
彼女は、一応、タオルケットで体を隠しながら、だんだんと恥ずかしくなってきているのが見て取れた。
ああ、いっそのこと、明かりとか付けてしまいたいと考えたが、こちらも全裸、この勝負引き分けとするか。
時計を見ると、まだ午前3時だった。
「君はここで、寝てるといい。私はリビングのソファーで寝るので」
「いけません、雄介様。ここは雄介様のために準備された施設です、私がソファーに寝ます」
「いや、この時代、このような状況の時は、男性の方がソファーに寝ると相場が決まっているのだよ。だから遠慮は無用だ」
玲子君は、少し困ったような顔をしていた。
まあ、GFというのは、恐らく絶対の権限を持っているのだろう、彼女からすれば、会社の社長を差し置いて、自分だけベッドに寝るなんて出来ないと思っているのだろう。
「あの、、、、雄介様、どうにか、このベッドで寝て頂くことはできませんか?」
「、、、ならば、一つ提案しよう。まず、服を着なさい、寝間着か部屋着でもかまわない。もちろん私も着用する。その上で、少し離れてお互い背中を向けて寝るのではどうだろうか。」
彼女は、少し嬉しそうに、
「はい! 雄介様がそれでよろしければ、私は有り難いです」
さっき、年下と聞いてから、なんだか親近感が出てきたな。
やはり、白人の血が入っているのか、19歳にしては完成度の高い大人の女性に見える。
これで、彼女の言動が、少し噛み合わない事情がようやく理解出来た。
つまり、性的な知識も経験も、小学生レベルなのだ。
だから、俺は彼女を守ってあげなければならない。
本当は少し、もったいないという気もするし、ヘタレだということも解っている。
でも、未来から来たこの美しい女性を守れる人間は、今、俺しかいない。
、、、大丈夫、俺の理性は、まだまだ健在だ。
彼女が服を着て、なんだか今度はよそよそしくベッドに入ってきた。
心なしか、さっきの全裸状態より、逆にエロく見えた。
、、、やっぱり、服って大事なんだなあと、つくづく感じた。
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