第26話 この現行世界にも管理人は存在します
「しかし、そんなテクノロジーを持った人々が、君たち未来人と共存しているというのは不思議な話だな」
「そうですね、ここが時間移動の理解しやすい部分でもあります。未来では、最初に「未来にしか行けない」タイムマシーンが完成します。」
まあ、厳密には今現在も、未来に少しづつ進んでいる訳だから、未来に行く方法なら、今現在でも理屈は理解できるしな。
浦島効果ってのも、現実にあるし。
「なるほど、そのマシーンを使って未来へ行き、進んだテクノロジーの知識を持ち帰った、ということか?」
「大体、そうなんですが、そうなるまでには、随分色々あったようです。」
「色々?」
「はい、何しろ、行った先に、人類が繁栄した未来があるとは限りません。行ってみて、人類が滅亡していたら、帰還する方法はありません。」
うわ、っ怖! たしかそうだな、行った分だけテクノロジーが発達しているとは限らないもんな。
最初に未来に行った人は、さぞかし怖かったろうな、、英雄的行為だと思うよ。
「それで、どの過程で、パラレルワールドの管理人と人類は接触するんだ?」
「いえ、厳密には、この現行世界にも管理人は存在します、彼らは間違えて互いの時空間に入り込んだノイズを修正することが任務ですので。」
おいおい、なんだか怖い話になってきたぞ、、、もう仰向けでも全裸でも気にならなくなってきた。
しかし、ノイズの修正って、間違って入ってきた人間を消去するということか?
この壮大な話の中なら、有り得るな、、、。
「玲子君の言う、ノイズとは、、、人間のことか?」
「はい、だいたいそうです。時々、何かの拍子に、パラレルワールドに入り込むことがあります。大体、入り込んだことに気付かないまま、管理人によって元の世界に戻されているのですが、ごく稀に深部まで入ってしまうトラベラーがいまして」
「そして、そのトラベラーは、、消される、、と?」
「いえ、まさか、ちゃんと管理人によって元の時空間へ届けられます。そうしないと自我の数量に変化が生じ、大きな時空の歪みに発展します。」
「さっき、パラレルワールドとこの世界にも管理人がいると言っていたが、どうしたら管理人に会えるんだ?」
「、、、いえ、、、それはあまり考えない方が良いかと思います。管理人はパラレルワールドから間違えて入ってきた人間をエラーとして対処するために現世に置かれた人物です、それは触れないほうが基本的に良いものなのです。」
「どんな格好をしているんだ?」
「普通の姿形です。普段は絶対に見破ることは出来ません」
「もしかして、、、マーシャンも管理人だったりしないよな」
すると彼女は笑い出し、
「さすがにそれはありませんよ、マーシャンは私達の時代の人間です。」
管理人か、ちょっと都市伝説みたいな話だな。
しかし、そんなに長く、この世界を守っているのなら、その労をねぎらってあげたいものだ。
「管理人に、お礼を言ってあげたいな。」
「、、、、雄介様は、斬新なお考えをなさるのですね、、、、たしかに、そのお考えは、歴史的に見ても雄介様らしい発想ですけど。」
「いや、だれでもそう思うのではないか?」
「いえ、その、管理人と言っても、恐らく彼らは「人」ではありません、厳密に言えば、彼らは人間を模したシステムと言えます」
ん?、あれ?、宇宙人的なものではないのかな。
てっきり、そうなのかと思ってたけど。
「管理人は更に先の未来人や宇宙人のような存在ではないのか?」
「なるほど、雄介様は、そう捉えたのですね、そうですね、宇宙人とは少し違います、ちょっと似てはいますが」
「宇宙人でないとしたら、何者なんだ?」
「はい、戦前の言い方をするならば、宇宙人が作った「AI」が正しい認識だと思います。」
ええー、AIが具現しちゃうの? この物質世界に?、、、そっちの方が斬新だよ。
「つまり、玲子君はそれら未来人や宇宙人、そしてAIとの接触を済ませたと言うことで良いのか?」
「、、、、これも表現に困るのですが、実は具体的なところは100年後の世界でも一般公開されていないのです。」
うわー、なんだか闇が深そうな話だな。
ということは、その何だかわからない存在が提示した方式で、時間移動をしているということか?
それって怖くない?
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