第25話 エラーサイトと、未来は違うのか?

 俺は今、全裸、そしてベッドの上でうつ伏せ、そしてさっきから、彼女は俺の体を器具を使って撫でまわす、、、。

 もうお分かりですね、俺はいま、仰向けになると、とてもセクハラな状況なのです。


「どうされました、雄介様、仰向けですよ」


 わかってます、わかってますが、、、、ええい、もう仕方がない、君のせいだからな!

 俺は思い切って、、、仰向けになった。

 彼女は、その状況を見て、、、気付いたよな、いや、絶対に気付いているって。

 

 それでも彼女は、気付いていない振りをして、スキャンを続けた。

 

「あの、、、、失礼します」


 ああ、もう死んでしまいたいくらい恥ずかしい。

 一体何の儀式なの、これは、


 彼女のスキャンは、俺の山を越え、谷を越え、淡々と続けられた。


「、、、、あの、私、実は本物の男性の体に触れたことがほとんどないものですから、、その、何か失礼なことがあったら、お申し出ください。」


 失礼もなにも、、、いえ、こちらこそ、って感じです。


「未来では、彼氏とか、いなかったのか?」


「もちろんです、周囲は女性ばかりで、私の職場も8割が女性スタッフです。」


「君は女子高出身なのか?」


「女子高ですか、戦前らしい言い方ですね、、まあ、そうです、女子高のようなものですわ」


 いや、だから、戦前の女子高の話ではなく、君の時代の女子高の事を言ったつもりなんだが、イマイチ噛み合わないね。

 まあ、男性が少ない世の中だからなあ、みんな女子高みたいなものなのかな?


「ところで、君はどのような手段でこの時代にやってきたんだ?」


「はい、もちろんタイムマシーンに乗ってですが」


 簡単に言うなあ、そりゃそうなんだろうけどさあ。


「そのタイムマシーンは、今どこにあるんだ?」


「そうですね、それが実は、今回の当初の目的地です。緊急時に敵を回避するために、時間移動をしてしまうと効率的ですので」


「未来に行くということか」


「もちろんそれも含まれます、しかし、私が行こうとしていた時間軸は、この世界のエラーサイトです。」


 ん? エラーサイト、?  また新しい単語が出てきたぞ。


「エラーサイトと、未来は違うのか?」


「はい、このエラーサイトとは、戦前の言葉で言うところの、パラレルワールドに近い世界です。」


 ん? 平行世界とパラレルワールドって違うのか?


「昼間に話していた、並行世界が相互干渉し続けている、という平行世界とパラレルワールドは、何が違うんだ?」


 彼女が言うには、並行世界とは、近似世界線を指し、パラレルワールドとは、その平行世界の中でも稀に発生する、遠い世界の事を指すらしい。

 つまり、並行世界は、何らかこの現行世界との相互リンクがなされているが、パラレルワールドは、完全にリンクが切れた状態の世界を指すらしい。


「そんな世界が存在したら、世界を変えすぎて宇宙が消滅するんじゃないか?」


「ご心配には及びません、パラレルワールドはエラーによって独自の世界に進んでしまった別のページだと思ってください。植物でも、途中から伸びて花をつけますよね、あれと同じです。雄介様が仰った通り、その世界はとても崩壊しやすい構造です。」


「その世界の崩壊は、こちらの世界の崩壊とリンクしないのか?」


「全く影響が無い訳ではりませんが、そのために、時間を管理する未来人によって、管理人が置かれています。」


 へー、管理人なんているんだ。


「その管理人は、玲子君のいた時代の同僚かい?」


「いえ、私達にも理解出来ない存在です、多分遠い未来か、過去か、私達より優れたテクノロジーを持った存在により、時間移動やパラレルワールドに関する事項には、厳しいルールがあるのです。」


 でしょうね、君たちの自由にしてたら、もう世界は何回も崩壊しているよ。


 、、、、ん?、今、さり気なく、宇宙人みたいな存在について触れてなかった?








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る