第24話 いえ、これも任務ですので
彼女の少し悲しそうな表情が、俺は気になって仕方がなかった。
流れ的には、少し嬉しそうな顔をしてもいいかと思うのだが、、、俺と結婚するの、そんなに悲しい?
まあ、考えてみれば、今日会ったばかりの人間に、お世辞言われても嬉しくはないよな。
しかし、、、それはもしかして、彼女が知っている、これからの未来に関係している、、、のではないか。
いや、物騒なことを考えるのは止めよう。
そのまま食事が終わり、夕食の後片付けをしていた彼女は、入浴前にこんなことを言ってきた。
「雄介様、しばらく寝室でお待ち頂けますか?、私の任務の一つでもあります、雄介様のスキャンを行いたいのです」
「ん? スキャン?」
「あの、いえ、簡単なマッサージのようなものとお考えください」
「なんだか悪いな」
「いえ、これも任務ですので」
、、、、んん?んんん-ーー?
風呂上りにマッサージ?
なんだそれ、ちょっと過剰サービスではありませんか?
今日は早く寝るつもりだったけど、今ので緊張吹っ飛んだわ。
、、、じゃあ?、部屋に?、行って?、待ってますよ!
しばらく緊張した感じで、俺は彼女のことを部屋で待った。
とりあえず、明かりは、、、、消します!
、、、やっぱり、恥ずかしいからね。
そうして部屋に現れた彼女の姿は、、、、、、普段着でした。
いやね、ちょっとは期待していた訳ですよ、お風呂上りの若い女性が、寝室に入って来るときの定番って、、、バスタオルじゃない?
ふつーに、普段着が正解でしたー、、、残念
それでも、風呂上りの彼女から漂う香りは、不思議と魅力的だった。
不思議と言うのは、同じボディーソープを使っているのに、感じ方って違うものだなって感じた。
「雄介様、起きてらっしゃいますか?」
「ああ、起きているよ」
「それでは、これからスキャンを開始します、もう部屋を暗くしてくださっていたのですね」
あ、暗くて合ってたんだ、、、ほらね、けっしていかがわしい考えではないのですよ。
「それでは、今着ている服を、全てお脱いで、まずはうつ伏せになってください」
え、え、え、ぱ、パンツもですか?、、、耐えられるのか、俺。
「全てとは、すべてか?」
「はい、ノイズが入ると、やり直しになりますので」
「うん、、、聞いてもいいか?、これは何だ」
「私もよくわかりません、ただ、未来のGFご本人からのご命令です」
ああ、未来の俺ね、、、、それでは多分、そのスキャンというのは、、、、、エロい事を指してると思われます。
未来でもけっこうエロイんだな、俺は。
だが、しかし、ナイスだ、未来の俺!
俺は言われるがままに、、いや、本当に言われるがままなので、ままに、、、、脱いだ。
ああ、明かりを消しておいて正解だった。
「では始めます」
すると、彼女は、先ほどワゴン車の中で使っていた、ブラックライトのような検査機器を使って、俺の体を端から端まで、ゆっくりとなぞり始めた。
きわどいマッサージだな、これ、もはやプレイの域ですよ。
でもまあ、彼女なりに真剣だし、こちらもふざけちゃいけないよな。
そして、彼女のスキャンとやらは、続く、続く、続く、、、、続くなあ、、え、そんなところまでスキャンしちゃうの?
そこは、未婚の女性が入り込んではいけない領域ではないでしょうか?
さっき、君が、そんなところは撃たれないって、言ってた部位だよ、そこ。
さすがに、彼女もそれは意識してのことか、小さくうなずくような声が聞こえる。
きっと、自分に言い聞かせているんだろうな、彼女もこれが仕事だって。
そして、彼女は丁寧に俺の背中や足まで器具を使って撫でると、少し恥ずかしそうに、小さくこう言った。
「、、、、それでは雄介様、次は仰向けになってください。」
、、、、まあ、全身スキャンって言ってたから、、、かなーって思ってましたけど、、、男には事情というものがありまして、、、。
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