2021/06/03:即興小説トレーニング。(甘いコーヒー)―――――#物語

 今日は「即興小説トレーニング(http://sokkyo-shosetsu.com/)」をした。

「●即興小説作品における著作権は、作者に帰属します。」

とのことなので丸々転載するけれど、今回は自分で評価しないことにする。


以下引用。

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タイトル:甘いコーヒー (http://sokkyo-shosetsu.com/novel.php?id=583083)

文字数:523字

執筆時間:15分

お題:黒尽くめの馬鹿

………………

 僕には彼女がいる。希未のぞみは粗暴な印象を初対面の人に与える人。高校の制服に身を包んでいる時は、こだわりの短く切られた髪によって特徴が強調される。


「コーヒーは甘くしてこそよね。ブラックは只の強がりよ。」

「そうだね。」


 こんな口調だから、初対面でなくても敵を作ることがある。


「あ、ヒロは違うのよね。コーヒーそのものの味を知りたいからって前に話してくれたの、忘れてないわよ。」

「ありがとう。覚えててくれて嬉しいよ。」

「忘れないわ。……だって、初めてのデートのときよ、この話。」


 照れる彼女が可愛い。どんなことを思い出しているのだろう。

 初めてのデート。そのとき訪れたのもこの喫茶店だった。僕が彼女に一度でもいいから来てほしかった場所。思い出の場所。


「なんどもこの喫茶店には来たけれど、あの時のことを忘れるなんて、ありえないわ。」


 でもね、この喫茶店は今日で閉店するんだ。だからサービスでケーキを頂いた。だからいつもくれるコーヒー一杯無料券もくれなかった。


「またきたいね。」

「そうね。何度だってきたいわ。」


 コーヒーカップのコーヒーが底をつく。窓の外を見て思う。


「こんな日がずっと続けばいいのに。」


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――――――


 物語を書くべきだといわれ、物語を書いた。


「いいじゃない。これなら間違いなく小説よ。」


 再び橘岬が来る。私の前の席は昼休みは占拠され、椅子は鹵獲される。


「でも、よくわからない内容になった。」

「でもお題の''黒尽くめの馬鹿''は達成してるんだから、それで充分よ。」

「正直書いている間にお題を忘れてたんだけれど。」

「あれ?、コーヒーがそうじゃないの?」

「うん。初めは主人公の服装が真っ黒なことを書くつもりだった。」

「書いてないじゃない。」

「時間がなくて書き忘れた。」


 即興小説トレーニングの価値は予測不能なお題と時間制限にある。カクヨムに転載する前に幾らでも編集できるが、私はそのまま投稿することに意義があると考える。


「……コーヒーのことを''黒尽くめの馬鹿''と揶揄してるなら面白いと思ったけど、違うのね。」

「……ん。」

「でも読者にはわからないし、面白いから問題は無いわね。」

「……そう?」


 今日の橘岬は褒めてくるからやりづらい。


「新聞部に寄稿していい?」

「だめ。」

「どうして?」

「だって、身バレする。カクヨムにも投稿してるんだから、学校が特定される。」

「……それもそうね、軽率だったわ。今度書くときはカクヨムに投稿しないで新聞部に渡してくれないかしら。」

「考えとく。」

「昨日と同じ返答じゃない。」

「覚えてない。」


 彼女は一言一句覚えているのか。


「でも今日は宿題をしていなかった。」

「効率がわるいから。」


 そうだ。宿題なんて効率的にこなせばそれでいい。


「……本当にそれだけかしら?、ま、新聞部は貴女の原稿を待っているわ。よろしくね。」


 そう言い残して彼女は席を立って教室を出て行った。私の宿題は既に終わっていたのに、今日はスマホを取り出そうとしなかった。

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