2021/05/30:書きたい短編小説を考えるその1。――――――――#吐露
今回は、今書きたいなと思っている短編小説(1万字以内を想定)について考えていきたいと思う。つまりプロットを実際に作っていこうと言う訳だ。
[2021/05/24:小説の骨を作る。#創作論]
https://kakuyomu.jp/works/16816452220194675456/episodes/16816452220493801802
で話したことを実践し、実際に短編を書きあげ投稿しようと考えている。ただ、この話を読んでしまうとネタバレ甚だしいので、短編を楽しみに待ちたいという人は短編が投稿されてから見に来てほしい。それはそれで作者の考え方が分かって面白そうだ。
では、初めに設定の概要を話そう。この時点で決まっているのは、以下の通り。
「全ての人類が仮想世界(Digital world, DW)に固有のアバターを持ち、生活のほぼすべてが仮想世界内で行われるようになった世界。現実世界(Analog world, AW)で行うのは生理的欲求のみで充分。仕事は自宅から会社のサーバに接続することが出勤であり、加工や組み立ては自動化された工場が行い、人間が身体を動かす仕事はawから消滅した。」
「タイトル:ファクトリーオートメーション(仮)」
こういう背景を基軸に物語を構成したい。……サマーウォーズに似てる?。SFとしてはあの作品以上に技術が発展した世界になるから大丈夫。略語については、今後も頻繁に出てくるので覚えておいていただきたい。私たちの今いるこの世界がAW、デジタル技術によって生成された仮想世界がDWである。
私の創作論によれば、先ず物語の入りとしてイベントを1つ、中腹にもう1つイベントを入れる必要がある。今回は創作論で考えた手法に近い物を採用しよう。以下引用。
「初めの方はテンプレートを忠実に踏襲することで人間側の世界観を表現し、最後でテンプレートとは明確に違うとハッキリさせる。こうするとギャップが生まれるし、今後のストーリーが読めなくなる。」
つまり、冒頭は
「DWをまるで本当の現実(AW)であるかのように描写しながら、最終的に現実ではなかったと分かる。」
という構成になる。これを序破急の序としよう。
そうなると、つぎは破だ。
イベントをDWで発生させるかAWで発生させるか。序の最後で、主人公はAWに帰還している。つまり話の流れとしてはAWがどのような世界なのかが次に来るはずだ。そこで新たなイベントを起こすのだから、AWで起こすべきだろう。
どのようなイベントか。AWにおいて、なにかしら事件が発生し、それをDWにおいて解決するのが設定を生かせてよいだろう。ただ風呂敷を広げすぎると畳めない可能性が合うので、登場人物はなるべく少なくしたい。
……たった今思い付いたのだが、DWのアバターそっくりの人がAWを歩いていたらどうだろうか。
「主人公はDW接続器のある部屋の外に出て廊下を歩いていた。すると普段は誰もいない公園に、誰かがいる。遠目でも判ったが、彼女は同じ会社で働く同僚だ。なぜこんなところに。いや、そもそも姿かたちがアバターと全く同じだなんて、そんな話は聞いた事が無い。
普段はゆっくりと下る階段も、今日は自動昇降機で急ぎ、公園に走った。確かにあの人だ。彼女は間違いなく私の知り合いであり、間違いなくAWに存在した。公園のベンチに座る彼女が此方を向く。私はその冷たい目に怯んだ。」
このイベントを元に設定の詳細を詰めよう。
まず、外に出ることの意義が殆どないこの世界で主人公が部屋を出た理由だが、ただ散歩が好きだということにしよう。私たちの間隔ではインターネット上の方が縛るものがなく自由に思えるが、DWが生活のほとんどを占めるこの世界では、AWの方が束縛が無い。そのため、彼はこの時間はいつも散歩をしていた。
つぎに、アバターの詳細な設定を詰めるべきだろう。折角のDWなのだから、姿かたちは自由に変えられることにしよう……かとも思ったが、無秩序になりそうなので、子供のころから少しずつ成長させていく方針にしよう。とはいえ全く自由が無いのも味気ないので、成長の方針を自分の意思で変えられることにする。マッチョになりたいなら徐々にマッチョに変化し、髪を長くしたければ徐々に長くなる。現実と違うのは現状の維持や、昔に戻る事も可能だということだ。
ただこれだけだと容姿が完全に同じになる可能性があるので、個人を正確に分別する要素を社会的な秩序のためにも入れておきたい。よってアバターごとに個人番号のようなものが存在することにする。そして個々人の間でアバターの容姿を用いた詐欺などが起きないよう、個人番号を元にした直感的な個人特定機能を全ての人に付与する。要するに10年ぶりに合った友人の顔が判らないなんてことが無くなる。現実にもほしいものだ。このような設定ならAWの体とDWのアバターの見た目が全く同じなんてことはまず起こり得ない。
では、このイベントが何故発生したのかを考える。AWの体は基本的に生まれたまま成長してきただけであり、この世界観において態々整形する人はいないし許可されていない。ではDWのアバターをAWの体に寄せたのか?。その為には彼女を常に監視し続ける必要があり、彼女本人にしか成し得ないことだ。
よって、主人公はAWの彼女にこう尋ねるだろう。
「君は僕の同僚の○○だよね?。現実でも同じ姿なんて驚いたよ。」
彼女はどう答えるだろう。彼女本人であれば、
「そうなの。だって私は私のままでいいと思っているから。」
そして幾らかお喋りをして、主人公は部屋に帰る。翌日DWに出勤して彼女と会う。同僚なのだから当然だ。そして昨日のことを話題に出す。
「やっぱり全くおんなじだ。何で見ても驚きだ。」
そう話しかけると、彼女は怪訝な表情を見せた。
「……なんの話ですか?」
以上をイベント(破)の概要とする。これ以降はAWで見た彼女がいったい何者なのか、それを紐解いていく話となる。
ネタバレすると、AWの彼女は、DWのアバター情報を元に創り出されたヒューマノイドだ。DWに接続していることで個々人が持つ様々な情報は抜き取られており、AWのオートメーション化を実現している者(企業、人、AIあたり)が、AWにおける人類の体は不要だという思想のもと、人類をヒューマノイドで置換する計画を実行した。彼女はその一人だったわけだ。この計画を、主人公はDWで彼女と調査したことによって知り、DW、AWの両面で解決しようと奔走する。そういった話にしたい。
なんだか長くなってきたので、今日はここまでにしよう。明日、できればこの続きをしていきたい。
――――――
考えを整理するのに文章化するのはいい手段だ。当時何を考えてこんな設定を組んだのかなんで、書きだしていなかったら忘れてしまう。
「中途半端な記憶力が恨めしい。」
今日考えた内容を、明日どれだけ覚えているだろうか。何も覚えられないならこんなに悩まずに生きられただろうに。すべて覚えられたなら、もっと効率よくいきれただろうに。
「英単語の小テストなんて消えてなくなってしまえ。」
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