2021/05/29:生活費と貨幣。―――――――――――――――――#創作論
ファンタジー世界のお金について考える。
取り敢えず日本の平均(34歳未満の単身者の一月に掛かる生活費)を述べる。
・住居――――――¥40,000
・光熱――――――¥ 8,000
・医療――――――¥ 4,000
・消耗しない物品―¥10,000
・移動手段――――¥10,000
・通信――――――¥10,000
・その他―――――¥30,000
合計11.2万円の出費を1日にするらしい。こう思うと年収134.4万円で生活できる。贅沢をしないならこんなものなのかと一安心する。じゃあ生涯いくら掛かるか計算しよう。この生活を20歳から100歳まで続けるとする。すると10752万円だ。大体1億円。なんだか様子が変わった。20歳から60歳まで働くなら、年収268.8万円が必要だ。平均年収は450万円、中央値でも370万円なので、大抵の人は大丈夫らしい。
では、こういった背景を元にファンタジーにおける収入を考えよう。
まずは生活費から。通信費は0で良いだろう。移動手段は徒歩が主なのだから費用は0。光熱費は必要だけど、真夜中に行動することが少ないので大体半分の¥5,000。消耗しない物品の半分は電化製品なので半分の¥5,000。医療費は回数は少ないけど高そうなので¥10,000。それ以外は据え置きとして、合計9万円となった。その他を減らせば合計6万円となる。
ここで、金貨銀貨銅貨の設定を考える。庶民は銀貨までしか普段使いしないとすれば、金貨の価値を10万円以上にすれば良さそうだ。銅貨の設定は物価の最小単位にすればいい。10円または100円くらいが妥当だろう。すると銀貨はその間、1000円か1万円となる。私としては給料が銀貨の枚数で決まるのが丁度良いと感じた。なので銀貨1枚が凡そ1000円となるようにする。この設定だと日当銀貨2枚で毎日働けば、目標の月収、銀貨60枚(=6万円)になる。金貨の価値を10万円とすれば、年収は金貨7枚ほどになる。
さらに細分化したいだとか、価値が大きい貨幣を設定したい時は大金貨小銀貨などを加えればいい。
以上より、異世界転生して冒険者になった場合に、低ランクでも受けられる依頼の報酬は銀貨1枚程度が妥当と言える。逆に金貨1枚が貰える依頼とは、もうその月は依頼に行かなくていいほどの価値がある。
例えば2か月間の護衛任務の依頼なんかは金貨を1枚2枚欲しい。衣食住完備なら報酬が少し下がるかも知れないけど。
あと、無暗に金貨1000枚(=1億円)の依頼は出さないことだ。登場人物が死ぬまで働かなくなる。
このように、平均的な庶民の月収を設定しておけば価格決定が楽になる。執筆途中で金額に悩まなくてすむ。
――――――
本当にこのような人生設計が上手くいくだろうか。50年前の人間が現代を予想できないように、現代の人間は50年後を予想できない。そんな不安を解消するために、人はお金を求めるのだろう。
使うか使わないか、予想を元に考えている訳ではない。何があってもいいように、余裕を求めてお金を求めている。判らないことを考えて不安がるより、判る範囲で考えたほうが良い。
「こんなお金、使えないよ。」
通帳を見て、いつも思う。裕福な家庭だとは思っていたけど、数字を目にして明瞭になった。
スマホは買った。制服の支払いもした。でもそれだけ。予想されていた使い道はされず、預金は私の生活費だけで変動している。おじいちゃんに貰ったお金は別の口座に蓄積され、私の労働意欲を削いでいく。
死にたいと考えることはないけれど、私は生きる意味を考えなくてはならない。
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