2021/05/21:大きな決断。――――――――――――――――――#自説
決断する前に考えるべきことは何だろう。
たとえば昼食。AランチとBランチがあった場合、何を考えるか。第一は食べたいかどうかだ。いくらが嫌いなのにいくら丼がメインのランチを選ぶはずがない。焼き魚が嫌いなのにどっちも焼き魚だったらどうしよう。別のお店にしようかな。第二は値段だろう。1000円VS時価。時価のランチなんて見た事ないが、自分の財布で払えるランチを選ばねばならない。
此処で条件を追加する。Bランチは今日までで、明日からは食べれないらしい。またAランチ、Bランチ共に1000円とする。更にはどちらも美味しそうである。こうなると、Bランチを選びたくなるだろう。これは後悔を回避した結果である。明日以降この店に来なかったとすれば、どちらのランチも今日限定であったと取れる。しかし、Aランチを食べた場合、「Bも食べてみたかった」という後悔が残る。しかしBランチを食べた場合には後悔が発生しない。食べようと思えば食べられるからだ。
後悔しない決断をする方法は、今しかできないことを優先することだ。何時でもできる事は何時でも選択肢に存在し、後悔などとは無縁である。
明日返さないといけないマンガ本があり、更に明日はテストだとする。このとき夜更かししてマンガを読み切るか、早く寝るか、どちらを選ぼうか。後悔しない為には、マンガを諦め寝るべきだ。マンガの続きは気になるが、後悔は少ないだろう。希少なマンガで今後読むことが叶わないと言われると困るが、大抵また買えるし、何ならもう一度交渉して借りればいい。
このように、後悔を軸に考えた時に一方の価値が跳ね上がる場合は簡単である。問題は「どちらも今しかできないが、どちらかしかできない事」についてだ。試験の前に勉強することに異論はないが、数学と国語のどちらを勉強しようか迷う事があるだろう。睡眠時間を考えるとどちらか一方しか選べない。こんな時は自身を顧みて、したくない方を選ぶと後悔自体はしにくい。「したくないことをした」という達成感を得られるからだ。実際にどちらが必要であったかは試験の内容に依るので、決断する時は想定外だと割り切って、達成感を得に行く方が気は楽になる。受験したい大学を選ぶとき、先ずは現状の情報を精査して無理な選択をしないようにする。そうして同等の評価の大学が複数定まった時に、先程の決断の手法を試す。
「Aは自分には少し難易度が高いけど、目指せないほどじゃない。Bなら確実に行けるけど、就職が不安だ。Cは私立だからお金がなぁ。」
後悔しない決断をしたならAだろう。たとえ落ちたとしても、頑張ったと誇れる。将来、Aに行ったけど就職に失敗するかもしれない、Bに行ったけどすんなり就職できた、Cに行ったけど両親は案外余裕があって何の問題もなかった。将来を考えるより、後悔しないように、つまりは達成感を得られるように選択し、決断したほうが前向きな人生になるのかも知れない。
ところで、自殺するか否かどうだろうか。余りにも重いので話したくないが、自殺した人間は必ず後悔をしない。感じる脳が無いからだ。しかし自殺しなかった人は「あのとき自殺してればよかった」と後悔する事はある。ではどうやって自殺を止めようか。私は他人の自主性を尊ぶ人間なので、自殺を止めようとはあまり思わない。ただ、ひとつだけ、志願者に聞いてみたい事がある。
「いま自殺する必要が本当にあるのか。明日ではだめなのか。」
志願者は言うだろう。
「1日も生きていたくない。」
生きる事に価値を見出していないのである。そんな人間を止める手段は私は持っていないし、命の使い方などその人が自由に決めていいはずだ。ただ、せっかく命という手札があるのだから、何かに活用した方がいいとは思う。電車を赤く染めても多くの人が困るだけだ。そんなことより超高層ビルの天辺からダイブしてみる方が面白そうだ。
――――――
両親を失った私にとっては命はとても価値のあるものだ。私だって死にかけて色々失った。得たものもあるけれど、後戻りはできない。でも、あの日の事を後悔したって仕方ない。
「いっしょにでかけたい。」
幼少の私がそう言ったから死んだ。順序としてそうだけど、因果関係はない。幾ら賢くても将来は全くわからない。習慣によって将来の目標に照準を合わせることはできるけど、いきなり目の前に現れた民間人を撃ち殺すかもしれない。
私が私である為に、私はこの身体を大事にしたい。その為に頑張ろうと思う。
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