17.遺跡での邂逅

GM 中に入り、暗い道を進んでいく。一歩一歩先へと進むごとに、徐々に周囲のマナが歪んでいくのが肌に感じることだろう。

ガレナ 「……嫌な感じだ、気をつけろ」

GM 廊下の一番奥までやってくると、半径5m程もある大きな黒い球体が行く手を遮っている。冒険者であるならば、これが奈落の魔域であることが瞬間的に解るだろう。

ヤーン うわぁ! きた!

ミァンティール わーお。

フロワ 「……‼ これは……」

インニェラ 「……ああ、ここに奈落の魔域が発生していたのね」

ガレナ 「シャロウアビス、これが……」

GM ……さて。ここで全員、危険感知判定を振ってもらう。目標値は13だ。

インニェラ わあい‼

ガレナ わはは‼

ヤーン (ころころ)15!

ミァンティール (ころころ)19!

フロワ (ころころ)13!

ナント (ころころ)14!

インニェラ (ころころ)7!

ガレナ (ころころ)10!

フロワ ガレナーッ

インニェラ 任せろ。俺もいるぜ。

ガレナ やったあ! 安心だね!

GM 君たちがシャロウアビスを見つけた瞬間、ズン! と地鳴りが鳴り、地面が大きく揺れた。

ガレナ 「……⁉」

インニェラ 「わッ‼」わあい。

ヤーン 「……嫌いなやつぅ(グルッと喉が鳴る)」

GM インニェラとガレナはその大きな揺れに対応できず、体をよろめかせてしまう。そして、床に設置してあったであろう、警戒の石を踏んづけてしまった。

ミァンティール わぁ。

インニェラ 置くな‼ こんな場所に‼

ガレナ 「っとと……!」

インニェラ 「………あっ、踏みました」

GM ―――けたたましい音が廊下中に響き渡る。

ナント 「うわーーーーーーーー‼」

フロワ 「おいーーーーーーーー‼」

インニェラ 「ごめんあそばせ……?」

ガレナ 「わははは‼ すまん‼」

GM 警戒音が鳴っていますが全員聞き耳判定をどうぞ。目標値は10。

ナント (ころころ)7!

ガレナ (ころころ)9!

フロワ (ころころ)6ゾロ!

GM フロワ耳が良いな。

ヤーン (ころころ)10!

ミァンティール (ころころ)15!

インニェラ (ころころ)9!


GM フロワ、ヤーン、ミァンティール。君たちは遠くから、ガシャンガシャンと、何かが迫ってくる音を聞き逃さなかった。

ガレナ 「こんなところに置くのが悪い! 出したものは片付けろ」

ナント 「それはそう!」

GM あえて置いてたんだよ!

フロワ 「来るぞ、6時方向、後ろだ!」

ナント 「えっ?」

ガレナ 「来る……? 何がだ⁉」

GM ガシャン、ガシャン、ガシャン、ガシャン!

インニェラ 「……何か来ちゃってるな、構えて!」

ヤーン 「いやな予感する~~~‼」

GM (ころころ)21。

GM (ころころ)22。

GM (ころころ)21。

GM (ころころ)19。

ガレナ こわいこわい。

インニェラ 気前いいですね。

GM ガァン‼ と、後方からものすごい音が聞こえてきた。後ろを振り向けば、後方50mにあった5mのシャッターがほとんど大破してしまっている。

ヤーン 5mしゃったーーーー!!

GM そこから覗いているもの。それは巨大な魔動機だった。

ガレナ かわいーーーー!!!!!!!!

GM 魔物知識判定が振れるよ。目標値は11。

インニェラ (ころころ)1ゾロ。 

ミァンティール (ころころ)6ゾロ。

インニェラ いちぞろさんこめ。

ガレナ すごいね?

GM 1ゾロと6ゾロが並んでるんだけど。

フロワ (ころころ)5。

ガレナ (ころころ)6。

ナント (ころころ)6。

GM ミァンティールは弱点まで抜いてるな!

ミァンティール わーい!

フロワ 一番近くでみたもんなあ

GM 設計図にあった魔動機。レイルウェイカノンだ。


【レイルウェイカノン】

 レベル11の魔動機。拠点攻略・防御用の自走式大型魔動機。八本足で器用に歩き、レールがあれば接続して線路を高速で移動できる。到底レベル2と7のPTで倒せるモンスターではない。


ミァンティール ふふふ。

インニェラ レイルウェイカノンって搭載砲じゃなくて本人が走る砲台なのか。私はてっきり……列車の装備かと……。

GM 列車と連結することもできるらしいから間違ってはないね。

ナント 自走式かわいいねえ。

ガレナ かわいい……かわいいね……。

インニェラ 「……あっ、設計図のやつだ」

ナント 「うっそでしょ‼ あんなんいるの⁉」

インニェラ 「……あれ列車につける設備じゃなくて自律するタイプなんだ⁉」

フロワ 「わあ~思ってたのの10倍でかいです」

ガレナ 「……! 当時作られたものが……まだ動いてる、ってことだよな? なんて技術だ」

ナント 「どうなってるのかすごい興味はあるんだけどさあああああ」

フロワ 「技術への興味は置いといて武器を構えろ! まずは命あっての物種だぞ!」

ナント 「わかってるわかってる!」武器構える。

ミァンティール 「これはこれは何とも」

GM そうこうしている間にも、蜘蛛のような八本足を駆使し、器用にシャッターを剥いでいく。

ナント 「ひえっ」

ヤーン 「そっち大丈夫?!」

GM ガシャン、と巨大な砲台を展開させていく。そして、照準をしんがりのミァンティールに定めた。

ミァンティール 知ってた。

ガレナ 「あっやばいやばい、ミァン! 走れ!」

フロワ 「離れて!」しっぽぶわぶわ。

GM/レイルウェイカノン (ころころ)23。ミァンティール、回避どうぞ。

ミァンティール 回避ふふふ、了解です。(ころころ)10。

GM/レイルウェイカノン 命中ですね。(ころころ)22点のダメージです。

ガレナ 威力はかわいくない‼

GM ドン‼ という発砲音が廊下に響き、重い弾丸がミァンティールに直撃する。

ナント 「ミァン‼ 大丈夫⁉」

ミァンティール 「なんとか」防護点8点。14点もらいます。


インニェラ 「どうする? 奈落の魔域しかないわよ、この後ろ」

ナント 「……先輩、あれ戦ってなんとかなるやつなんです?」

インニェラ 「……ガレナ達を連れてあれを突破するのは無理よ。アビスへ退避して時間を稼いだほうがいいわ」

ナント 「ですよねぇ……」

インニェラ 「どちらにしろここじゃ一方的に狙撃されて終わりよ」なので入っちゃっていいんじゃないかなーと思っていますがどうでしょうか。

ナント 行きましょう。

フロワ いっちゃうかあ。

ヤーン 行くしかないよねぇ。

ガレナ 賛成です。どっちにしろ脱出路を探して一本道だったので。

ミァンティール 多分そのためのこの位置関係だろうなぁーとは。

GM (笑顔)

ガレナ 「……魔域の中にはあれは追っては来ないのか?」

フロワ 「奈落の気配が濃いと近寄ってこない獣は確かに多かったですけど……魔動機ですからね」俺の畑がそうだった。

インニェラ 奈落のキャベツ。

GM 奈落キャベツやばそう。

インニェラ 「追ってくるかもしれないけど~(しれないんだ)」

ガレナ 「しれないけど~⁉」

インニェラ 「ここだと袋の鼠よ。奈落の魔域の中は見た目通りではない。遮蔽や広さが十分にあればここより勝算があるわ」

ミァンティール 「恐らくその方が懸命でしょうねぇ」

ナント 「そんときはなんとかなんないかな〜〜〜〜!」

ガレナ 「了解だ! まあ……なるだろ! なんとか‼」

ヤーン 「嫌だけどそれしかないなら行くよ~~~!」

ガレナ 「ミァン!」手を引いていきますね。気持ちだけのサポートですが……。

ミァンティール やさしいねガレナ……。

GM では全員、”奈落の魔域”に飛び込んだ!

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