8.森の中の邂逅

・チェックポイント3 マナ満ちる森

 くだんの森へと入った冒険者一行。入り口付近ということもあり、木々の間から差し込む光が行く道を明るく照らしている。

GM 魔法系の技能を持っているPCは気付くことがあるぞ。

ガレナ おっ。

ナント おや。

ミァンティール なんだろう?

GM この森、一般的な森林に比べると大気を漂うマナの量が少しばかり多いようだ。

ヤーン ギーさんは気づくかな?

GM ギーも妖精魔法が使えるから気づくと思うよ。

ヤーン そしたらギーさんにリカント語で教えてもらおっと。

GM インニェラはレンジャーを持っているから、このマナの濃さなら魔香草の1つや2つ生えているかもしれないと思うだろう。

インニェラ 草なんかないよ……。

GM あるって!(判定に成功すれば)

ヤーン ニェラさん……。

ガレナ 「……この宝珠にツンとくる感じ……。マナ、だろうか」

インニェラ 「ツンとくるんだ……」

ガレナ 「そう、ツンときて……スーーってなる……」

ミァンティール 「確かにこの森に入ってから、濃くなったのを感じますね」大気のマナ。

ヤーン 「ギーさんも空気が美味しいってー」

フロワ 「ああ、道理で尾の毛が〇×□(リカント語にしかない言葉)すると思いましたよ」

ヤーン 「なんとなーくわかるよぉ。うろこも◯✕□ってなるもん」

インニェラ 「◯✕□」

ガレナ 「〇×……なんて? 方言か?」

フロワ 「え!? 共通語に無いんですか!?」

ナント 「え? ないかな……」

フロワ 「あ、はい……」

インニェラ 「ドラゴン語には似たような言葉があるわよ、□★蟹◯っていう……」

GM 蟹。

インニェラ 蟹。

ガレナ 「それはマナが注がれる□○×(魔神語)感ともまた違うのだよな?不思議なものだなあ……」

フロワ 「まって知らない言葉がどんどん出てくる」

GM 交易共通語で喋って!!

ミァンティール 「それなりに語学は修めているけれど、まだまだ知らないものがあるのは興味深いところです」ドラゴン語とかはわかるよ。

フロワ そう言えば、このへん草があるって聞いたんですが。

GM そうだね。

ガレナ 「ところで……このあたりじゃないか? 列車で誰か言ってたろ、草がなんとか」

インニェラ 「ああ、そうね。このくらいの魔力量なら魔香草が育つかもしれないわ。ちょっと探してみましょうか」

GM オーケー。ここもレンジャーで探索判定になるぞ。目標値は少し上がって11。

インニェラ 「フロワと草探して見るから、その間に方角確認しててくれる?」

ガレナ 「了解だ。方角を確認しよう」では草係りからちょっと離れて、地図と太陽とを照らし合わせておこう。

インニェラ (ころころ)15!

フロワ (ころころ)11!

GM おっすごい!

ガレナ えらーい!

GM インニェラとフロワは、木々の間に生えていた魔香草を1つずつ見つけることができた。

インニェラ 「あった!!」

GM 見つかってよかったね。

ヤーン ちゃんと草がある森だった。

ガレナ えらいえらい、高い草が……とれてる!

インニェラ 「庭に生えてほしい…………」

GM 切実。

ミァンティール マナの濃い庭とか何か起こりそうだわ。

GM マンドレイクとか生えそう。

フロワ 「結構生えてますね」むしり……。

ナント 「大量だ」

インニェラ 「多少……多少刻んだりするのも得意だから必要なときは仰い」

GM さて、草むしりも済んだところで先へ進むかい?

一同 はあい!


・チェックポイント4 二手に分かれた獣道

 道は整備はされておらず、枝葉が空を覆い、陽の光を遮り始めている。先程出会ったルーンフォークが乗っていたであろう荷馬車の痕がみられるものの、それ以外に人の往来を示すものはない。

 東北と東南に道が分かれているようで、荷馬車の轍は東北に続いている。一方、東南へ続く道は背の高い雑草が伸び切っており、人の往来をまるで感じさせず、本当に道があるのかも疑わしく感じるだろう。


GM 夕方となりだんだんと日も傾き始めていることもあり、見通しも悪くなってきたな。

ミァンティール 「だいぶ日も傾いてきましたね……」

ガレナ 「ああ、この季節、まだ暗くなるには早いが……急ぐに越したことはないだろう」

インニェラ 「えーとじゃあ……湖のほうがいいのよね?」

ナント 「そっちの方がオススメっていってたよ」

ヤーン 「獣に注意していこうねぇ」

GM どの道に進もうか議案しているところだが、ここで危険感知判定を振って欲しい。目標値は後輩が7,先輩が13。

インニェラ (ころころ)16。

ミァンティール (ころころ)14。セーフ。

ヤーン (ころころ)10。スカウト低いんだよなあ。任せた。

ガレナ (ころころ)7。

ナント (ころころ)6。出目。

フロワ (ころころ)12。

GM では、危険感知に成功したインニェラとミァンティール、君たちは森のざわめきに乗じて木々を移動してくる音を聞き逃さなかった。またフロワは、茂みからシュルシュルと蔓をのばすような音を聞く。

インニェラ 「……何かきてるわ、構えて!」

ミァンティール 「――何かが、来ている?」 警戒度を上げる。

ヤーン 2人の言葉を聞いてすぐ伏せるよ。でかいと周りにばれる。

インニェラ 安心してほしいヤーン、金属鎧着てるリルドラケンは伏せたくらいでは何ひとつ隠れられない。

ガレナ ふふふ(笑)。小山。

ヤーン そうだけどさぁ‼

ミァンティール 条件反射よねぇ。

フロワ 「……そこ、なにかいます。蛇か蔦のような。」

ガレナ 「ん……? 動物か?」

フロワ 「武器、構えてください。」

ナント 「えっ??」

ガレナ 「フロワがそういうんじゃマズいものなんだな。了解!」


 ガサガサ‼ と大きな音を立てて目の前に飛び出してきたのは巨大な熊1体と、ゴリラの姿をした獣が2体。

 そして、退路を塞ぐかのようにガサガサと蔓を伸ばしてきたものは、人の背丈ほどある茨を複数つけた赤い花1体と、3mものふくろを持つ食虫植物の姿をしたモンスター2体であった。

 かくして、挟み撃ちでの戦闘が幕を開ける。

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