栗本薫
大作つながり。
でも、『グイン・サーガ』じゃないです。『宇宙皇子』と一緒に図書館に並んでた『魔界水滸伝』。
うん、こーじーの通っていた学校の図書館って、中学も高校も、なかなかえげつないセレクトしている気がするのは気のせい?
まあ、とりあえず読みました。基本スタンスは日本古来の神霊とか魔物、主に国津神と天津神が転生というかどっちかというと、その血筋に先祖返りして。
微妙に中国系の神様も混じるけどね。女媧とか。
で、最初は仲違いというか権力争いしていたけど、宇宙から攻めてくるクトゥルフに対抗するために、協力するようには、一応なる。
と言うのも。トップツーが仲が悪いんですよ、壊滅的に。それも、恋敵というか、保護者というか、何度転生しても、いつも同じ存在に絡んで、彼や彼女を挟んで争うという筋金入り。
特に恋愛絡むと、論理とか関係なくひたすら争っちゃうので始末に悪い。
でもまあ、何とかそれなりに妥協して、布陣作ってクトゥルフを迎え撃つわけですが。
この時点で、すでに地球の文明は崩壊してます。果たしてどうやって再構築するのかな? 最後の方はよく覚えてないけど、何か宇宙要塞みたいなの作ってたな。
ちなみに何が水滸伝なのかというと、クトゥルフに立ち向かう戦士にそれぞれ水滸伝に出てくる108の星が当てられているから? 他に理由あったかな?
まあ、水滸伝が時の権力に対抗して救国せんとする英雄の集まりだから、そういうことかな?
あ、で、さっきの仲の悪いトップツー、元々はスサノオとヤマタノオロチなんですけど。
今不意に思い出した、久美沙織の「八犬伝」モチーフにした途中で終わってる話。あれも、スサノオとヤマタノオロチが絡んでたな……。イヤ余談です。
最後は何がしたいのかよく分からないままだった……。
クトゥルフについては、この後「女神転生」プレイするための基礎知識として役に立ちました、一応。
結局「グインサーガ」には手を出せずにいます。
短編だと、「パロスの剣」と「時の石」くらいかな、読んだの。
でも、「時の石」は、何かちょっと怖かった記憶しかない。
ファンタジーものの「パロスの剣」は、今だったら百合とか言われるのかな? でも、どっちかというとトランスジェンダーの話な気がする。
そもそもこの方は、BLのはしりだったらしく、やたら同性愛というか、耽美系な雰囲気を醸し出しています。一辺倒じゃなかったんでまあ、読めたけど。
話が戻るけど、トップツーのヤマタノオロチの方は、もう後半は地球の未来とかどうでもよくって、偏愛する美青年(故人)の面影を追い続けていくという……そして、死んだはずのこの青年も、要所要所で存在を醸し出し翻弄していく、ダカラナニ? な展開に……。
まあ、主人公はスサノオの転生の方で、世の中を斜にみていたひねくれた大人が、使命を感じて先頭に立って皆を率いていく、ある意味成長ストーリーで、その流れは面白かったし、それぞれの部族に起きる悲劇も、伝説に沿ってしまわずにはいられない不可思議な条理に翻弄されていて物悲しく、つい元ネタ調べたりしちゃって、奥深い部分もあったんですけど……やっぱり、最後がグダッてしまい。
膨らませた話を収束させるって、ホント難しいな、って思いますね。
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