新井素子(と星新一)

 で、こうなりますよね。

 コバルトでSFとなったら。



 たぶん、「星へ行く船」シリーズが最初だったのかな? 新井素子は、コバルト以外のレベールも沢山置いてあったので、端から借りていくことに。

 今回はちゃんと1巻から読ました。さすがに学習(笑)


「グリーン・レクイエム」「ひとめあなたに…」とか「二分割幽霊奇譚」とか読んだあと、「ラビリンス」「ディアナ・ディア・ディアス」に行き。

 そのあと「扉を開けて」とか「いつか猫になる日まで」「あたしの中の」……だいたいこんな経過です。


 新井素子は、そのあと自力で買い集めて行くようになります。

 おそらく、語りはかなり影響受けていますよね、きっと。


この後、「くますけといっしょ」「おしまいの日」「ハッピーバースデー」(これはわりと最近だけど)辺りのホラーなやつに(いや、「ひとめあなたに…」も十分ホラーだ。旦那さん、切り刻んでシチューにするとか)はまり出していきます。


 ブラック・キャットシリーズは図書館に置いてなかったんで、結構後になって読みました。


 結構神経にキタのが、「あなたにここにいてほしい」ですかね。テレパスの女性の、男性の心が見えちゃうリアリティーが、エグい。


 いや、全般的に、グサグサ来るのはおんなじか。

 うん、軽妙に心をえぐってくるあたり、星新一の流れを受けていますよね。


 オブラートに包んでもグサるのに、本気でサイコホラーとか書かれた日には、人間怖くなります。

 でもまあ、たいてい何とか立ち直って行くので、それでも一応救われる感じになります。


 本気でアンハッピーエンドのだと、「今はもういないあたしへ」くらい?

 クローンと魂のあり方についての、SF? ホラーだよね、分類。

 これ、生命倫理の授業のレポートに引用しました。度胸あったな、学生時代の私。


 まあ、短編は「この後どうなっちゃうんだろうね(ため息or苦笑)」なエンディングも多いですからね。


 SFではないけど「新婚物語」は、超ハマりました。

 ペリドットはこれで知った。

 「新婚物語」で大腸菌ファージT2株はずっと覚えてました(笑)


 で、流れで、星新一。


 もう、言わなくてもいいでしょうね。

 

 ショートショートの神様。


 星新一で一番好きなのは「クリスマスの奇跡」だな。


 星新一の作品ではわりと珍しいハートフル系。


 基本はブラックですよね。

 でも、「人間なんて所詮こんなもんさ」と言いつつも、どこか「しょうがないなあ」と苦笑する感じがあったかい。


 そういう人間臭さが、新井素子にも星新一にもあると感じます。


 清濁併せ呑む、とはちょっと違うかな。理想は高く持ちつつも、人間の罪深さを、『赦し』というか、受け入れる、という感じなかなぁ?

 

 悲観しても、どこか希望を捨てきれずにいる、優しさと悲しさを感じますね。

 

 

 

 

 

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