七章 侍道化と荒海の魔女 その1
「ヨウ、ヨウ、ヨウッ!」
グラサンをかけて桃色キャップを被り、桃と筆書きされた白いTシャツにジーンズを着こなした桃源 英太郎はDJが使うミキサーを弄っていた。森を軽快なリズムが支配する。
「桃太郎戦法教室、卒業式、始まっていくぜ! アユレディ、弟子よ!」
「レディじゃいないぜ、男だぜ、ヘイ! でも準備は万端、レディだぜ、マスター!」
括正は乗りに合わせて応答した。桃源もノリノリだ。
「ならセイ、ホォー!」
「ホォー!」
「セイ、イェイ!」
「イェーイ!」
「セイ、フゥー!」
「フゥー!」
「アウ! 質問攻めのフルコース! ビシバシ答えろ、返事はウィー!」
「ウィ〜!」
「君の名前は?」
「岩本 括正!」
「求めるものは?」
「ハッピーさ!」
「自慢のスタイル?」
「念術、武術に逆十字刀!」
「強さの精神は〜? ヘイ!」
「誰より笑える奴さ、笑いの國を求めるさ! 己を完璧、思わない! 人生楽しく、ハッピーデイ! 謙遜謙虚、優しさ、弱さ、忘れない! 先生の教え忘れない!」
「パーフェクト! 俺の技と心を持ってけ、泥棒! 返事ははいだ! はよ去れ〜!」
「はい、はよ去れ〜!」
括正はそういうと桃源の森を素早く去った。桃源 英太郎は括正の気配が森から消えるのを確認すると、音楽を止めた。
「ありがとうな、括正君。拙者湿っぽいのは嫌いでね。頑張れよ、色々。森があってやり方を間違わなければ、いつだってこの森に戻れる。たまには遊びに来いよ。」
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