一章 侍道化と桃色果実 その5 完

 ドーン! 突然括正の前に砂埃が起きた。

「うわっ!」

 括正は思わず尻餅をついた。足の先にはそこで止まった川ができていた。

「でかい念が…やってくる。……巨大な…桃?」

 どんぶらこ、どんぶらこ、っと巨大な桃が真っ直ぐにやってきて、括正の真ん前で止まった。パッカーンっと桃は割れて、中から桃色の和装に紫の帯に白いマント、お歳に合った白髪ポニーテールに桃色の眼光をした細身な老人が出てきた。

「やあやあ、侍の少年、こ~んに~ちは~。拙者は桃太郎としても知られている桃源 英太郎! 一誠君から聞いてるよん。 君に出会えて、ハァッピ、ハッピ、ハッピー! よろしくさんだぜ、大歓迎! 人違いならごめんあそばせ。念術を教える前に念のため、君の素敵な名前と願いを教えてくっれないかい~?」



一章 侍道化と桃色果実

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