第3話②バースデー・プレゼント

「川嶋さん。院長がお呼びですよ」

町田が、仕事上がりに弥生を呼び止める。

「お食事に誘われるのかな~?」

「えっ!?そうなんですか?」

「そうよ。大体、誕生日の前日に呼ばれるのよ。私も、毎年呼ばれるのよ」


「失礼します」

「どうぞ」

院長室に着き、圭一に中に促(うなが)された。

「突然で悪いけど……。今日は、これから暇かな?」

「はい。予定は特にはありませんが……」

「師長の町田さんから聞いたと思うけど……。バースデープレゼントとして、食事に誘っても良いかな?」

「はい。私で良ければ……」

「じゃあ、これから行きましょう。実は、もう予約してあるんですよ」

「ありがとうございます」

弥生は頭を下げた。


「いや。僕が勝手に誘ったんですから。……でも良かったです。断られたら、男友達とディナーでした」

そう言って、圭一は笑って見せた。

「院長先生は……。彼女とかいないんですか?」

「…………」

「──!」

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