第3話 這い上がる。


 __又やっている。飽きないのか。這い上がるのは凄いことだ。でも、そのまま降参しても良いんじゃないか。「役に立たない。」「慈愛に怯えている。」それなのに居場所を探しているからか最後まで見ている。その眼は獣のようで、ただ時々ジワリと涙を浮かべる。__自分はさっきから何の話をしているんだ。しかし、語りたい。あの呪縛人形名もないロッドを。御免、同情ではない。呆れでもない。やりたいことが明確なモノが勝る。それでもあの子は負ける。ただ、這い上がる事以外の選択肢を知らない。


 自分は、そんなあの子に微笑むことが出来たなら逆襲をしなかったのか。あの子にロッド番号をつけたら私もあの子と同じになれたかな。








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