第14話 朔夜、色んな意味で覚悟を決める!
・・・
・・・え?
・・・
・・・え?
・・・
えっと・・・
何がどうなって・・・
・・・・・
う~んと、たしか・・・
俺は白姫の計画に乗って、彼女に告白。
そして、白姫からごめんなさいを言われて・・・
ねえじゃん!?
はあ!?マジで!!一体全体!!どういう事だよ!?
意味わかんねえよ!!
そして、俺は一体何をされた!?
何となく、頬に柔らかい感触が残っている気がする・・・
・・・・・
うひゃひょひゃひぇえええええ!!
何をされたのか・・・1つの事実に辿り着き、俺は壊れる。
もうやめて!
みんなして、俺の心を破壊しないで!!
俺の精神が持たないよぉ!!
てか、どういう事!?
俺は白姫“ごめんなさい”をされて、そこから連鎖的に全員から“ごめんなさい”をされるはずじゃなかったの!?
「あははっ!ごめんねぇ、朔くんから告白されるために一芝居うっちゃった!許してね♪」
・・・・・
どういう事じゃあああい!!
語尾に、てへっ♪とか付きそうな仕草しやがって!!
可愛いじゃねえかあああああ!!
違う!そうじゃない!!
絆されんな俺!!
「なぜだ!?どうしてだ!?なにがどうなってこうなった!?」
俺の頭は完全パニック。
・・・もう、パニックじゃない時なんて今の俺にあるのか?
そんなパニック状態の俺をよそに、白姫に向かって瑞穂が近づいてきた。
こ、これは修羅場に・・・
「良かったね!琴音ちゃん!」
「うんうん、ありがとう!瑞穂ちゃん達と相談しあったおかげだね♪」
なりませんでした・・・
2人は抱き合いながら喜んでいる。
な・・・なんだと・・・!?
グルだった・・・だと!?
次いで・・・
「これで、琴ちゃんも私達や朔ちゃんに遠慮する必要ないもんねぇ♪」
「いやぁ、みなもちゃんもありがとね!これからは私もガンガンいくね♪」
と、みなもとも嬉しそうに話す。
・・・いや、ガンガンくるのはやめてぇ!!
「琴音さんも、ずっと朔夜君の事を思い続けてきたのよね」
「うんうん、そうなのそうなの。皆が本当に羨ましかったよ~」
千里もなんかうるっとしている。
当たり前の如く、受け入れちゃってるよ!!
「いや~、本当に朔たんなんかにはもったいないよねぇ」
「あはっ、本当だよねぇ♪」
だったら断れや!!
・・・・・
ちっくしょおおおおお!
全員グルだったのかよ!!
そもそも何でだよ!!
何の相談してんだよ!!
「う~んとねぇ・・・もしね?もしもだよ?私が告白していたとしたら、今の朔くんなら間違いなく断るよね?」
そりゃそうじゃい!!
「だから、朔くんから告白される必要があったのです♪」
「ふむ、なるほど・・・?」
・・・・・
いや、なるほどじゃねえよ!!
なに納得してんの俺!?
違うっしょ!!
そうじゃないっしょ!!
「それに、それにね、皆が朔くんから告白されてるのに、私だけされないっていうのも悔しかったというか羨ましかったというか・・・」
皆に告白って・・・
そもそも嘘告なんじゃい!!
俺はごめんなさいを所望なんですよ・・・
「そうそう、琴音ちゃんが羨ましそうにしているのがわかったから、どちらかというと私から相談を持ちかけたんだよ」
瑞穂が原因かああああ!!
「うんうん!皆に正直に話して、本当によかったよ♪」
「私達の朔ちゃん協定には、来る者拒まず去る者引き留めるって書いてあるからね♪」
・・・・・なんじゃい!!俺協定って!?
しかも去る者引き留めるってどういう事だよ!!
普通は去る者追わずだろが!!
引き留めないで!!
去る者は、そっと立ち去らせてあげて!!
「今の朔夜君なら、ごめんなさいと言われると言えば、どんなずさんな計画でも乗ってくるものね」
「うんうん、私は朔くんにこんな適当な計画を話していた時は、すぐばれるんじゃないかってヒヤヒヤしてたけど、全然気がつく様子がなかったもんね♪」
・・・・・
くそがっ!!
言い返せない所が悔しい!!
「朔た~ん、こんな穴だらけの計画が成功するわけないじゃ~ん」
「本当だよねぇ!でもでも、そのおかげで朔くんから告白されたわけだしね♪」
美鈴に言われると、ことさら悔しい!
つーかさ、なんで全員この状況を受け入れてんだよ!!
おかしいだろが!!
そう考えている所に・・・
ガラガラッ!バン!!
と乱暴に教室のドアが開かれた・・・
そして・・・
「また朔夜の告白大会かあああああ!私もまぜ『ガラガラッ、ピシャ!!』」
速攻閉める・・・
うん!
何も見てない!何も見なかった!
真白ちゃんなんて誰も見てない!オーケー?
つーか今出てこられても、ややこしくなるだけだから大人しくしてて!!
それよりも・・・
増えちゃったよ!
減らすつもりが、逆に増えちゃったよ!!
イケメンモテ男の達也じゃあるまいし・・・
つーか、そうだよ!!
達也はどうしてんだよ!?
今が出番だろが!!
と思って、達也の方を見ると・・・
空を眺めて現実逃避していましたとさ。
・・・・・
もう、どうしたらいいんだよぉおおおお!!
もう、これはあれか!?
俺は死ぬのか!?
いや、もういっその事、俺を殺してくれよぉおおおお!!
そう嘆いている俺の肩を、ポンと叩く輩がいる。
「さ~く~や~く~ん」
「わかってるよなぁ・・・?」
お、丁度良い所に
「ああ!わかってるさ!さあ、ひと思いに
俺は両手を広げて、素直に奴らを受け入れる。
俺は現状から逃げるため、塵と化すのだ!!
今こそその時だ!
さあ、お前らやってしまいなさい!!
あまりの潔さに、逆に男子が躊躇いを見せていた。
「さあ、どうした!?ほら、何をためらっている!」
「くっ!急に潔くなりやがって!」
「逆にやりにくいじゃねえかよ!」
「しかし、このままでもいられない・・・」
「朔夜・・・恨むなよ!?」
そう言って男子共が俺に襲いかかってこようとするのだが・・・
「はい、ストーップ!!」
俺と男子の間に入り、俺が塵と化すのを止めたのは瑞穂でした・・・
「男子の皆、戯れるのはいいんだけどさぁ」
「もし、朔夜君に何かあったらね」
「許さないんだぞぉ!」
と言いながら、みなもと千里、美鈴が俺にすり寄ってきた・・・
あひゃああああ!!
やめてぇ!!
もう、俺の心臓が限界なんだって!!
どっちかというと、奴らにやられる方が心のダメージが少ないんですけど!?
「そうだよそうだよぉ!せっかく両思いになった瞬間に、未亡人になっちゃうでしょ」
いや、両思いになったわけじゃないでしょうが!!
ってか未亡人って・・・
結婚したわけじゃねえだろ!!
白姫も、関係が昇格するのが早すぎだろが!!
そう嘆いていると、白姫は俺を守るように俺の正面から抱きついてくる。
うひょぉおおおおお!!
くそぅ!
なんだこれ!なんだこれ!!
もう、色んな所に禁断の果実を感じられるわ、色んなところがあったかいしやわらかいしで・・
白姫が増えた事で、俺の心臓をえぐる破壊力が数段増し。
俺の魂が抜けかけた所で、彼女達は満足したのか俺から離れてくれた。
しかし、俺の足はガクブルで言う事がきかない。
少しずつ後ろに下がっていく。
そして、教室のドアの近くまで来ると・・・
ガラガラッ!バン!
「朔夜の告白大会かああああ!私も参加『ガラガラ、ピシャ!』」
・・・これ以上、俺の精神を脅かさないでくれ。
ガラガラッ!
「朔夜の告白大会『ガラガラ、ピシャ!』」
くそう!しぶとい!!
ガラガラッ!
「朔『ガラガラ、ピシャ!』」
ふう。
さすがにこれで安心だろう・・・
そう思っていると、瑞穂が声をかけてくる。
「朔夜くん?もう、諦めよう?」
はっ?
どういう事じゃい!!
「そうだよぉ。朔ちゃんは真白先生だけ、抵抗しすぎだよぉ?」
いや、当たり前の行為だろが!?
「朔夜君は、もっと素直になるべきだと思うの」
最初から素直じゃい!!
「要するに、朔たんは真白ちゃんも受け入れればいいんだよっ♪」
いや、おかしいだろが!!
そもそも真白ちゃんは教師なんだからさぁ!
受け入れたらダメだろが!!
「朔くん?選り好みはいけないよ?」
いや、選り好みの問題じゃなくね!?
違うよね!?どう考えても違うよね!?
そう思っていると、5人が詰め寄ってくる。
「朔夜くん?」
「朔ちゃん?」
「朔夜君?」
「朔た~ん?」
「さ~くく~ん?」
・・・・・
5人になると圧力が半端ねええええ!!
・・・・・くそぅ!!
わかったよ!わかりましたよ!!
もう、どうなっても知らんからな!?(主に俺が・・・)
ガラガラッ!バン!
「朔夜あああああ!私にも告白しろおおおおお!!」
ドアを開け放った真白ちゃんに対し、今度はドアを閉めることはしなかった。
そして・・・
「わかりました・・・真白ちゃん・・・いや、伊織!」
「っ!!」
俺はもう腹をくくったため、真白ちゃんを下の名前で呼ぶ。
「・・・好きです!付き合って下さい!!」
その言葉と共に、頭を下げて右手を出す。
今までも真白ちゃんの態度からすれば、すぐに返事があると思っていた
なのに・・・
「うっ・・あっ・・・」
・・・あれ?
反応が薄い・・・
なんか僅かに声が聞こえる気がするが・・・
いや、それよりちょっと!どうなってんの!?
頭を下げている俺には、状況がわからない。
ってか、早くしてくれよ!
俺はいつまでこの態勢でいないといけないんだよぉ!!
そう思っていた矢先・・・
「くっ・・・ば、ばかものぉおおお!!」
という声と共に、俺の後頭部に強い衝撃を受けた。
ぐおっ!
な、何でだよぉ・・・!!
俺は下げている頭に鉄拳を食らったのだと認識しながら、崩れ落ちていく。
そんな意識朦朧とする俺には・・・
「お、男らしい朔夜なんて・・・ひ、卑怯・・・よ・・・くっ・・・う、ううっ・・・じゅ、十年早い・・・だなんて、思ってたりしないんだからなあああぁぁぁ・・・」
と、泣きながら真白ちゃんが遠ざかっていく気配を感じていたとかいなかったとか・・・
意識が薄れゆく中で、真白ちゃんが泣くなんて有り得ない・・・
これは後頭部を殴られた事による後遺症だな・・・
と、自分でも意味不明なことを考えながら、意識は飛んでいくのであった・・・
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