第3話

 さっき確かに俺を呼ぶ声がした。ただどこにいるのかわからない。少なくとも俺からは見えない。


 キョロキョロと周りを見渡すと、屋台の裏に小さな物置のようなものが目に入った。すごい古そうだ……。……あの中にいるのか。俺は半信半疑で壊れかけているドアに手をかけた。


 その時、ドアが勢いよく開いた。


「悠真くん」


 そこには葵がいた。ショートヘアによく似合っているブルーの浴衣を着た俺の彼女が。


「……心配したんだぞ。どうしてこんなところにいるんだよ」


 俺は口に出して言っていた。彼女は笑っている。なんでだ。



 テッテレー!


 突然壊れそうなドアがバンと開いて、たくさんの人が入ってきた。カメラやマイクを持った人もいる。先頭にいる人は、「ドッキリ大成功」と書かれたプラカードを持っていた。……ん? ドッキリ大成功?彼女の顔を見ると笑いを堪えていた。

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