第39話 澤村御影『准教授 高槻彰良の推理2』

感想


大学の講義で同じクラスの人を『友達』ではなく、『知り合い』と言うところとか、人と一線をおいているところとか、自分の周りにだけ、薄い膜でも張られているかのような気分になるところとか、尚哉くんが感じることに共感する部分がちょいちょい出てくる。


それを読むたびに、尚哉くんにどんどん引き込まれてしまった。



尚哉くんが特殊能力を一時期使えなくなったとき、高槻先生にそのことが言えなかった。


それは、使えなくなったことで自分は高槻先生に必要とされなくなってしまうという不安が理由だった。


それは、とても共感できるところで、


今までできたことができなくなってしまった時、それが理由で側にいてくれた人が離れていってしまうのではないかという不安が頭をよぎる。


でも、高槻先生は、「僕が君を手放すわけがない。たとえ力がなくなっても、過去の体験に変わりはないんだから」と話していた。


そばにいてほしい、君がいてくれたら嬉しいと言ってくれる存在は、とても大切で安心できる存在。


なかなかそんな存在は現れないけれども、尚哉くんは、高槻先生と出会えてよかったと思った。




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