第11話 瀬尾まいこ『そして、バトンは渡された』

あらすじ


私には五人の父と母がいる。その全員を大好きだ。


高校二年生の森宮優子。


生まれた時は水戸優子だった。

その後、田中優子となり、泉ヶ原優子を経て、現在は森宮を名乗っている。

名付けた人物は近くにいないから、どういう思いでつけられた名前かはわからない。

継父継母がころころ変わるが、血の繋がっていない人ばかり。

「バトン」のようにして様々な両親の元を渡り歩いた優子だが、親との関係に悩むこともグレることもなく、どこでも幸せだった。





感想


母が2人と父が3人いる女の子。


血が繋がっていなくても、彼女はいつも愛されていた。


嫌な気持ちに全くならず、ほのぼのとした作品で、心温まるストーリーだった。



どの親も、彼女のことが大好きで、彼女のためを思って尽くしている。


そのおかげで、闇をかかえることもなく、生き生きと逞しく生きることができている女の子。



親たちは、自らを犠牲にしてまで彼女に愛情を注ぐ。



「親になるって、未来が2倍以上になることだよって。


明日が二つにできるなんて、すごいと思わない?」



この一言だけで、彼女が親から愛されていることがよくわかる。




家族ってなんだろう。親子ってなんだろう。


こんなことを考えされられる作品でした。

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