第2話 村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』
ほとんど死ぬことだけを考えて生きてきた。
この冒頭の始まりから、惹きつけられた。
多崎つくるという主人公がそう思った理由に悲しみと、なぜ?という疑問が私の頭の中に留まった。
彼が仲良くしていた女の突然の裏切り。
でも、その裏切りは、女の心の病によるもので彼女を責めたくても、もうこの世にはいないというやるせなさ。
そして、村上春樹ならではの言葉の美しさが光った。随所随所に散りばめられている言葉の美しさによって、物の見方を研ぎ澄まされる。
人には色がある。
では、私は何色なんだろうと考えさせられた。
たぶん、色はないのかな。自分で、この色!と思ったことがないから。
好きなことに没頭すること。それは、心を世界につなぎとめておくための営みなんだ。
嫉妬、哀愁、怒り。これは、時には良い方に人を動かし、時には悪い方に人を動かす。そんなことを思った。
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