第六話 リンさん嫌い!
僕達はライティさんにお願いされて、光と闇の寮和解計画の作戦を練っていた。
寮が壊れるぐらい、本当に仲が悪いみたいで…
会ったら喧嘩。会ったら口論を繰り返していたそうで。
学園長は堪忍袋の緒が…いや、堪忍袋が破裂したんだろうなー、きっと。
んで消された、と。
今は作戦1、『元闇の寮長に頼む』を実行している。お出かけしているルーイザ(ルーナとイザベラ)、なぜか作戦を知った瞬間、逃げたサキさん以外のリンさんと僕で寮長を訪ねる事にした。正直行きたくない…
「ダークとはお友達なんだ、俺。ちょっと呼んでみる!
え…ダークさんって、怖そう…やめようよ~帰ろうよ~
「大丈夫だって、リツ。ダークは優しいと思うし?」
「なんで疑問形──」
「…オホン、ダ~ク~!」
どこでよんでるのリンさん!?道の真ん中で…やめようよ!帰ろうよ!
「ダーク、聞こえてるでしょ。」
「…んだよ。聞こえてるし。んで何の用だ?」
地面が歪んで、ヘドロみたいになる。そこから人形の何かが人に…ってこの人ダークさん?!
「だ、ダークさん?!ど…どこから…」
「だははっ!ダーク、お前どこから出てきてんだよ~あー面白っ!」
リンさんは腹を抱えて笑っている。笑いでリンさんの目に涙がある。
「ふざけるな、リン。人を呼んでおいて、面白いなどと…」
「あー、ダーク、お願いがあるんだけどさ。」
「…人の話を聞いてくれないか?」
なんだろ、ダークさんとリンさんは仲いいのか悪いのか…ツッコミとボケみたい。
「光の寮と和解してくれないかな?」
その言葉を言い終わった瞬間、空間が揺らいだ気がした。
おまけにダークさんの頭から、ピキッという音が鳴って。
僕の危険信号はピカピカ鳴った。ヤバいって本能が僕に、知らせている。
「誰と和解しろと?なぁ、リン…」
「な、ナンデモナイデス…よ?」
ダークさん怖い!やっぱやめとけば良かった!リンさん!あの時帰れば良かった!
「…はぁ。確かに俺も、いつかは和解せねばならんとは、思っていた…が。」
「お願いできない?」
リンさんは、先程より真面目なトーンで聞く。
僕は首を傾げてダークさんを見る。ダークさんは、ぐぬぬ…と考える仕草をしていた。
「か…考えておく。」
「ふぅん…あ、ところでさぁ、この子誰だか分かる?」
えぇ…話振らないでほしかったんですが…
ダークさんは、首をかしげて、「リツ、だったか?」と暗い声で話す。
「あっ、はじめましてリツ…です。ダークさんですよね?よろしくお願いします。」
「ダークだ。それとさん、はつけなくていい。よろしくな。」
手を出して握手を求めてきたので右手を出す。そして離して──
「離して?!」
えっすごい握力!筋肉はなさそうに見えたのに!もうほんと指の骨が折れそうで悲鳴を上げて…あ痛たた?!
「何してんだ、ダーク?」
リンさんが少々キレたように見えた。
た、助けて下さい、痛いです!!
「こいつをうちの寮に貰えるんなら、和解してやってもいいが?」
ダークの目がギラギラ光ったように見えた。
するとリンは、ダークを越える鋭い目つきでダークを見る。口は笑っているけど、目は怖い。
「何?ジョーダンだよね?ウチの寮の子奪ったら──こうだから。」
そしてリンさんは僕の左腕をつかんであ痛っ!?痛い痛い!!やめて下さい!
ほっ、骨折れたよ~…痛い…
「うぅ…も、もうやめて下さいよ…離して下さい…ぐすっ…」
「あっあっ、リツくんマジでゴメン!」
涙でよく見えないけど、ダークさんは、フン。と鼻を鳴らして地面に溶けていった。
リンさんは涙を流す僕にオロオロしながら左腕をさする。腰が痛い時腰をさするのはいいけど骨!骨折れてるから痛いんですよね!?
僕は折れている(多分)右手で、リンさんの手を払う。そして右手で涙をふいて、
「リンさんなんか、嫌い!!」
と叫んでやった。周りの人は、この変な光景に、気にしてはいるけど、通りすぎている。
「あ~それはやめて!謝ります、何でもします!なんなら寮長も譲ります、だからごめんなさい~!」
寮長をそんな簡単に捨てんな!リンさん!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます