光と闇の寮の話

第四話 来客でーす

ファイブファイブに入って1ヶ月。

特に何もなかった。クラブはマジックカードクラブっていうクラブに入った。

ただただ放課後集まり、カードで遊ぶ。

そんなクラブ。これなら楽しいし疲れないからめんどくさがりに人気かな、と思ったらそうでもなかった。

意外と皆ちゃんとしたクラブにはいってるんだと思いつつ寮に帰る。


「リツくん、お帰りなさい。今日は来客がきてるからね」


洗濯物を抱えたスウェラが出迎えてくれた。

この前までは部外者とかなんとか言われていたんだけど、今は優しい家政婦さんみたいな印象だ。ん…奴隷だっけ、メイドだったっけ…


「ん?来客?誰?」


「えっと…光の寮があったっていうのは知ってるよね。その寮長だった人だよ。」


え…闇の寮と喧嘩してた人かな…怖いな…


「そんな怖い人じゃないから安心して。ってかさ~今日キッチンの冷蔵庫壊れちゃって…そっちの修理、後でお願いして良い?」


「あぁ、僕ができる仕事があるならやるよ!」


「うん。よろしく頼むね。」


へぇ…光の寮長か…やっぱ怖い。

少し怖いと思いつつも寮に戻った。


「リツくん、お帰りっす!お客さん来てるんで、お茶用意お願いっす!」


「あれ、本当に冷蔵庫壊れてる…」


「そうなんすよ~…はぁ、アイスいれてたのに、溶けちゃったっすよ…」


やば…これはアイスじゃなく、飲み物みたいだ…


「どうして壊れたの?」


「さぁ?知らんっす。…あ!お茶の葉、ここにあるっすからね~」


「…イザベラさん、お客さんってどなたですか?」


「えっと…ライティさんっすね。なんでも、寮長の幼なじみらしいっす。」


「光の寮とかの話は?何だったの?」


「あーえっと…それが一番問題で…」


すると、玄関でも聞こえる大きな声で、リビングから声が───



「はぁ!?光と闇の寮作んの!?あり得ねー」



…はぁ!?あり得ねー…




「って訳さ。」


リンさんの説明を要約すると…

光と闇の寮がなくなった。

それは一部の人間にとってはとてもとてもヤバいことだったらしい。

まぁ、簡単に言うと光・闇属性の子が寮に入れないらしく。

僕は五つ属性を持っていたから全寮見回ったけど、普通の人は属性によって入った時から寮が決められているらしい。

ファイブファイブは、その中でも特殊で。

学園長が特別に許可を出したらしい。


「へーぇ!私達の寮作る時は大変だったっすよ…学園長に最低でも4人、今日のうちに集めてこーい!ってね…全寮駆け回って、私と寮長とサキで、ルーナを探して説得してね。」


「あぁ。ライティが渋るから。」


「…ルーナは優秀な新人でしたので…」


ルーナはライティに苦笑いをして、リンを見つめて話す。


「でもね、私…ライティさんには悪いけど、

ファイブファイブに来て、良かったなって。」


「…ルーナ、」


「だからさ…」


どうしたんだろ?何言うのかな?

もしかして──リンさんの事が…?


「れ、れれ冷蔵庫壊したの、許して…下さい」


「「お前か~!!」」


リンとイザベラの声がまたリビングに響きわたった。

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