第7話
お母様が、ニコリと優しく微笑んだ。
「リザ、リザが選んだ人が王になるって決まりがあるだけなのよ。分かる?」
何言ってんの。結婚した相手が王になるってことはさ、私が王妃になるのも決定じゃん。
お母様こそ何言ってんの。
「絶対に誰かを選べなんて、我が家は言われていないわ」
え?
「お、お、お母様、そ、それって……」
お母様が再び、ニコリと笑った。
「全力で逃げてもいいのよ?ただし、北の国の中だけね。侯家の人間は北の国から外へ自由に出られないから、流石にそれは卑怯というもの」
ああ、なんてことなの。
「分かったわ、お母様が言いたいことは……。私、北の国にいって、魔窟に潜ればいいのね!」
魔窟にまで北の国の貴族のボンボンが追いかけてくるわけはない。見つからないように、魔窟に潜って潜って潰すっ!
「……あら?私、なにか伝え方を間違えたかしら?」
お母様が首を傾げた。
「奥様、使者の方たちが」
侍女が再び声をかけてきた。
「はい、今向かいます。リザ、準備もあるでしょう。3日後に北の国に入国すると使者には伝えます。それまでに準備をしておきなさい。逃亡費用や準備に必要なお金は、私が冒険者時代に稼いだへそくりをあげる」
どさっと、手に十分な重みのある巾着が渡される。
「お母様……」
うるうる。
母の愛を感じるわぁー!
ぐふぐふ。
巾着の口を開けて中を確認する。
「まぁ、しつこく追いかけられているうちに、ほだされてなんだかいい感じになって結婚しようかなって思うこともあるのよ……」
ん?今、なにか言いました?
「じゃぁ、お母様、早速装備をそろえてきます!」
窓を思い切り開いて、ジャーンプ!
「こら、リザ!窓から出入りしちゃだめだって何度言えば!」
いいじゃーん。もう、将来の王妃でもないし、王族入りする予定もなくなったし。
「私の胸に飛び込んでおいで―!」
って、窓の下に、お父様が両手を広げて立ってるとか!
「ぶへっ」
お父様の顔に可愛らしく卒業パーティー用に新調した靴のヒールで着地。
お父様ったら、変な声出してますけど、嬉しそうだから、まぁいいか。
さて。冒険者として必要なものをそろえないと。
いや、まてよ?
逃亡に必要な物?
ん?
使者とともに北の国に入って、私、それからどうなるの?そっから逃亡の必要がある?
冒険者になるってバレてたら、ギルドを見張られたらすぐばれちゃうーの。ちゃうーの。
えーっと、とりあえずギルドカードはここで作る。
北の国に入る。
逃亡する。変装する。
変装してから魔窟だ!
おっけー、おっけー。
完璧な計画ね!
私ってばてんさぁーい!
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こんにちは。ところで、ところでですね!
タイトル見てくれました?タイトル!
カクヨムさんは100文字までタイトル入るそうなんで、きっちり100文字目指して、頑張って、100文字きっかりのタイトルにしてみました!
ちなみに、別サイトにもアップしてるんですが、そのサイトではタイトルは70文字までだったので、70文字になるようにしました。
……だから?って感じですよね。
まぁ、一応「最近のラノベタイトル長いよな」って思っている方もいると思うんで。この作品は、なんか、タイトルもコメディらしく遊んでみよう!ということで。
わざと、長くしました。ギリギリまで。
引き続きお付き合いいただけると幸いです。
あ、レビューとかお待ちしておりまーす!
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