第57話 扱い
家臣達との打ち合わせの後コウ達は城の中を執事やメイド達に案内されていた。
コウは半ばウキウキしていた。勿論お城というのをまともに見た事がない。テレビや映画で見たくらいでしかなく、目で直接見るのは初めてなのだ。
召喚された時はほぼ謁見の間しか見ていないからだ。
一段落した後会議室に向かい、国王とその側近達と話をする事になった。宰相等の知識人がそこにはおり、各騎士団の団長及び副団長、宮廷魔術師団や神官長や司祭等様々な重鎮達がそこにはいた。ここで魔王軍の中級または下級士官が現れた旨を話し、死体を検分していた。結果はこのサザリーという者の強さとしては、魔王軍の中級指揮官だ。
というのが検分の結果の評価だ。おそらく四天王の信頼のおける部下なのであろうと。四天王というからにはおそらく魔王の側近であろうと。四人いる筈の直属の部下という事は、その配下の七闘魔というのは中級指揮官であろうという事になった。正直この国にいる者の中で対処できるとすれば SS 級の冒険者がいるといい、その者で漸く互角であろうかという評価である。ただしパーティーとしてであり、単独で戦えばひとたまりもないというのが評価であった。
会議のメンバーには冒険者ギルドのギルド長も呼ばれており、コウ達は後でギルドに行く事になっていた。
ただ今の段階はようやく中級指揮官が出てこれたレベルの結界のほころびだとすれば、それより上のクラスが出てくるのが長くて1年、短くて半年の猶予だろうという事になった。つまりその間に出来る限りコウ達を強くする必要があるという話になった。
コウ達や宏海もとは言ってはいるが、要は魔法学校への特別生としての編入である。時間が短い為に難しくなる事もあるだろうが、フレンダのいるクラスに特別編入させると言っていた。
ただ、最初の一週間ばかりは特別授業で講師がつきっきりで教えると言う。基本の基本だからだ。クラスの中に放り込むというのは、その方が生徒同士で教えあったり切磋琢磨をするので覚えが早い傾向にあるからだと言う。
また時間を見て剣術の訓練もしてくれる。それとウッダード国への対処をどうするかとなったが、これはコウが聖女だというのを伏せる事で満場一致をしていた。コウの事は勇者とすると。
国の幹部会の者達との顔見せや、各種手続き、例えばギルドの冒険者登録をこの国をホームタウンとするようなそういう登録があるという事でその手の手続きを行っていた。またコウには宏海と共に騎士待遇を与えるのだという。この為、騎士の証として急遽叙勲が行われる。叙勲と言っても物々しい式典などが嫌いだと言うと、ただ記章を渡してきて、それを服につけるようにと言われた。そのような感じである。
部下の家臣の誰かがそれはさすがにと言うが、国王はやれやれといった感じだ。
「コウ殿が仰々しい事を嫌がっているし、この国に来たばかりでやらねばならぬ事が多い。今は時間もそれほど猶予がないので落ち着いた後に正式な事をすれば良い。だが今は彼らをそのような粗末な事に煩わせるべきではない。あくまでも落ち着いてからやるから、またそんなに心配そうな顔をするな」
国王は家臣達を嗜めていたが、ため息の回数が多かったりするのであった。
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