第56話 無駄だった
結局コウの服は騎士団の団員用の服を頂き、エンブレムを外したり、少しいじっただけだったなので見た目は一介の騎士である。その服に着替え、王族専用の食堂に向かっていた。
朝食は配慮をされて国王とその家族とコウ達5人のみでの食事となると言われ王族用の食堂に案内されたが。どうやら子供達がおねだりしての事らしい。
コウ達以外は国王と王妃それと小学校に入るか入らないかぐらいの4人の子供達だった
。こういう時はメイドは数に入れない。
国王がコウに質問をした。
「昨日はゆっくり休んでもらえたかな?この場はご覧の通り私の家族しかいないから遠慮なく過ごしてくれ。子供達が君達に会いたいと言うから少し相手をしてくれると有り難い」
子供達の目が輝いていた。
「それはそうと髪を切ったのだな。しかし中途半端なような気がするな」
「えっ?そんな筈ないですよ。かなり短く切ってもらいましたから」
「いや、女性ならべつだが、その長さで短く切ったとは言わないと思うぞ」
コウはいやいやいやいやという感じで、己の髪の長さを確かめる為に髪を触ると唖然としていた
「あら?コウ君、髪が伸びてるわね」
そう、先程から徐々に伸び始めており、今は髪を切ってから30分ぐらい経っていたのだが、既にもうショートカットと言われるぐらいの髪の長さにまでなっていた。短く切ったというのは、スポーツ刈りと言えるぐらいまで短くしちい貰っていた。しかし一気に伸びてきたようである。
子供達は無邪気である。
「私、ナタリーちゃんの隣」「じゃあ僕は宏海ちゃんの隣
なの」
とちゃん付けで呼んでいたのだ。宏海は子供が好きである。またフレンダも子供に対しては優しいのだ。国王の子供に懐れていたのだ。
子供達を王妃が嗜た
「これ!はしたないですよ!初めてお会いする方もいるのですからきちんとご挨拶なさい」
「僕と、とうま」
「私はアイリス」
「私はクリス」
そして3人揃っておねにーさんよろしくね!そんな感じである。最後の一人はまだ乳飲み子だ。
国王はそんな子供の挨拶の仕方にため息をついていた。しかもどこで習ったのか中二病チックな決めポーズまでしていた。
そしてコウも調子に乗ってしまった
「お、おう!俺が多分勇者のコウだ!よろしくなチビすけ共!」
か3人が唖然としていた。男か女かよく分からなかったが、国王の前で、子供達にとはいえざっくばらんに挨拶をしてきたのだ。そしてトリトとクルルが当たり障りのない挨拶をしていたが、早速クルルが子供達に捕まっていた。
耳を触られたり尻尾をモフられていたのだ。子供には掟は当て嵌まらないらしが、クルルが固まっており、やはり王妃が子供達の耳やほっぺをつねってそこから引き離し、ようやく終わっていた。
そしコウの隣にはいつのまにかとうまと言っていた男の子がちょこんと座っていた。食事をしながらふっと話をしてきた。
「なあ兄ちゃん何か教えてよ」
そう言うのでコウは少し考えてから話し始めた。
「そうだな。勉強は宏海と違い俺は馬鹿だからな。ただ君達に教えられる事が有るぞ。向こうの世界のおもちゃの作り方ぐらいなら教えてやろうか?」
子供の目が輝いたように感じられた。
「そうだな。竹とんぼっていうのを教えてやる。竹の代わりの材料があれば簡単作ってやるが、木だと時間がかかるな。そうだなあ、空高く飛ぶおもちゃだ」
うーんとなっていたが、でも見た事のないおもちゃに興味はあるようであった。
そして食事が終わった後少し王の家臣達と話をし、今後の身の振り方などについて説明を受ける事になるという。国王は謁見の間にて朝の謁見があるので、まずはそちらをこなさないといけなかった。
そして一通り話と言うか、食事が終わった後は重臣達とコウ達を交え、今後の事について協議するこ事となり一旦お開きとなった。
宏海は宏海で、後で王妃の所に来るように言われたのであった。
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