第7話 サンドワームの討伐
「クエッ!」
クウが鳴いた。なんとなくだが「変なこと言わないでよ!」って怒ってるように聞こえる。
「クウはその姿だと喋れないの?」
「クエッ!」
「あぁ、だが何を言いたいかは俺が大体分かるから心配すんな。なにせ長い付き合いだからな」
リクがしたり顔でそんなことを言う。
「今のクウはなんて言ってるの?」
するとリクはクウをじっと見詰めて、
「お腹空いたってさ」
それを聞いたクウが嘴でリクを突く。
「クエッ! クエッ!」
「痛い! 痛い! クウ、止めろ!」
「分かってないじゃん...」
私は呆れてそう言った。
◇◇◇
「それじゃあクウ、上空から偵察お願いね?」
「クエッ!」
クウは一声鳴くと大空に舞い上がって行った。
「私達はクウが痕跡を見付けてくれるまで待機なんだけど、その間、リクに身体強化魔法を掛けてあげるね。そうすれば、砂丘でも足を取られることなく自在に動けるからさ。私、攻撃系の魔法は苦手だけど、こういった補助系の魔法は得意なんだ~」
「いや、身体強化系の魔法なら俺も出来るから不要だ」
「えっ!? そうなの!? リクってホントに凄いんだね~! 私、尊敬しちゃうよ~!」
「い、いやまぁ...それほどでも...」
照れてるのかな? 赤くなっちゃってなんか可愛いかも♪
「クエエッ!」
クウが一際デッカく鳴いた。見付けたみたいだね。
「リク! 行こう!」
「おうっ!」
◇◇◇
クウが見付けてくれた場所は、ちょっとした巣になってるみたいで、サンドワームが蟻地獄みたいになった砂の穴の底にウネウネと何匹も蠢いている。
「うげっ!? 無理無理! 無理無理! あれは無理~!」
リクが涙目になってる。無理多いな。まぁ苦手なら仕方ないかぁ。
「しょうがない、リクはここで待ってて?」
「あっ! おい、アイラ!」
私は穴の中に身を滑らせた。私に気付いたサンドワームが襲い掛かって来る。
「ハァッ!」「ヤァッ!」「トゥッ!」
私はそいつらをちぎっては投げちぎっては投げ、体がサンドワームの体液でびっしょりになりながらも全て殲滅した。討伐の証である魔石を、ヤツらの体を引き裂いて取り出す。この魔石をギルドで換金して貰う。それが私達の収入になるんだ。
「大漁大漁~♪ やっぱり三人居ると稼ぎが違うね~♪」
一人は役立たずだったけど...私が穴から上がると、空を飛んでたクウが降りて来ていた。
「クウ、お疲れ~♪ 私一人じゃこいつらの巣を見付けられなかったよ~♪ ありがとうね~♪ リクは次頑張ろう~♪」
「「 ...... 」」
ん? 二人が無言なんだけど?
なんで?
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