第2話

「愛娘のマヒロは全く勉強せんのだよ...。

もう中学三年生で受験生だというのに、

危機感が全くない。数学だって、15点...。

英語に至っては9点なんだ...」


社長は、はぁ、という大きなため息をついて

一眼見て高価だと判る黒光りする椅子の背もたれに寄りかかった。


「それは由々しき事態ですね...」


「そうだろう...?父親としては

困っているんだ...」


「俺は君のことを三ヶ月でリストラしてしまおうとも考えたが、それはあまりにもかわいそうだと思って、チャンスを与えたまで...」


「それは有難い話ですが、俺...あ、すみません、わ、私より

東大出のスーパー家庭教師とかのほう

がよくないですか...?」


「いや、それがね。

娘に君の履歴書を見せたところが、だね...」


「は、はい...」


「顔写真を見て、気に入ってしまったみたいなんだよ。黒縁眼鏡で、髪の毛も黒いし...!

私と一緒だ!みたいに喜んでて...!」



え、俺、見た目そんなにイケメンとかじゃないけど...


「え?」


「娘のマヒロはね、

黒縁眼鏡で黒髪清楚で、ポニーテールなのだよ...!」


「君は飲み会のとき、確か、ポニーテールの女が好きだとか言ってたじゃないか?」


ま、確かに。


「は、はぁ...」


「別に、トップ校に入学させよーって気はないのだよ。その、なんだ。

せめて、平均点くらいは取れるようにしてくれるだけでいい。つまり、カリスマ家庭教師なんぞに頼む必然性はあんまりない」





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モテない独身社会人の俺は社長命令で 娘の女子高生(ロリ巨乳美少女)と同棲することになったんだが、誘惑してきて手に負えません。勉強させなきゃいけないのに...! 雲川はるさめ @yukibounokeitai

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