一見、一文が長く書かれているので読みにくさを感じてやめてしまう人がいるかもしれません。ですが、その文章はそのまま、行き場のない気持ちを抱えた中学生の主人公のとりとめもなく広がる思考を引き写したように思われます。方向が定まった後、そんな彼女の本心からあふれてくる思いの丈の量と強さは圧倒的です。
物語が重なりあって動き出したある1日が大きなターニングポイントとなりながら、その日のことに完全に引きずられていかない展開がむしろいいなと思いました。明らかに変わったけど、変わったことに浮わついていない主人公に好感が持てるようで。
こういう青春でも良かったなぁ