第30話わたしとカレ㉚
「だって・・・連絡も無視されるし・・・会社でも部署行ってもいつもあゆみいないし・・・でもこのままじゃ嫌だったから・・・」
はぁー!と言いながら
「あのさ、もうアンタには何の関係もないわけ!こないだも言ったけどわたしとアンタは友達でも何でもないんだから。ほっといてって言ったよね?そもそも私と居たって何のメリットもないのよ?」
「・・・だからって、ほっとけないんだもん・・・まだ・・・課長と外で会ってるの?」
「それが余計なお世話なのよ!私が誰とどこで会おうが関係ないでしょ!」
「関係あるよ!友達だから!だからこんな事続けて欲しくない!前みたいに普通に色んな事を言い合ったり、あゆみの話を聞いたりしたいんだよ!こんな事してたって幸せになんかなれない。あゆみだってそれ分かって・・・」
「分かってるよ!こんなこと間違ってる事だって!こんなことしてたって自分が惨めになってることぐらい!だけど・・・どうしよもないのよ・・・誰かがそばにいてくれないと、不安で孤独でいられないのよ!アンタと違って・・・私は誰からも本気で愛されない!これからも愛されることなんてない!・・・・こんな気持ち・・・アンタには分からないわよ・・・・」
静かに聞いていたが私は
「あゆみの気持ちは分かったよ・・・だけど、辛いからって寂しいからって・・・
あゆみ・・・人の家庭を壊すのはやっぱり違うよ。そんな風になってほしくないよ。寂しいなら、私が話、聞くから!だからもうやめようよ、こんなこと・・・」
ぐっと唇を噛んであゆみは俯いた。しばらく沈黙が流れた。
するとあゆみの携帯電話が鳴った。メールを見たあゆみは立ち上がり、
「悪いけど・・・私もう行くわ・・・」
急いで出て行こうとするあゆみを見て私は気づいた。
「課長んとこ?これだけ言っても課長と会うの?」
「・・・関係ないでしょ」そう言ってあゆみは振り返らずに店を後にした。
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