第25話わたしとカレ㉕

携帯電話のアラームで目を覚ました。


ぼんやりする意識の中でアラームを止めた。

自分のベッドの上で時間を確認する。そしてはっとして携帯の着信履歴やメールを見た。

やはりあゆみからの着信はなかったようだ。


ふぅーとため息をついて携帯をベッドの隅に放った。


大丈夫。


きっと向き合える。自分の気持ちに正直になるって決めた。

あゆみと向き合うって決めたから。あの子は私の大切な友達だから。


そう力強く思って朝の準備を始めたがやはり部屋の見渡してもあのおじさんはいなかった。

準備を終えて会社へと向かった。


普段通り業務をこなしていたが頭の中ではあゆみのことや直人の事がよぎる。


昼休みになり、携帯電話を見るとメールが来ていた。


‶話がしたい。連絡をくれないか?待ってるから。 直人〟


一瞬返そうか迷ったが、それよりもまずやるべきことがある。私は返事をせずに画面を消した。


エレベーターホールに行きあの階へ行くボタンを押した。


そう。あゆみの部署だ。


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