第24話わたしとカレ㉔
案の定目を覚ました直人は大いに慌てていた。
そしてこの事は絶対みさこに言わないでくれと頭を下げられた。
私は無言で着替えをし、帰ろうとすると
「ちょっと・・・おいあゆみ・・・頼むからさ。何でもするから・・・」
泣きそうになる直人を目の前で昨夜の直人がベッドで寝てる写真を見せ
「何でもするんなら、これからは私が呼び出した時に必ず会いに来て。
もし来ないんならみさこにこの写真と昨日の私との事バラすから」
私の言葉にギョっとした顔をしたが、しばらくして
「・・・分かった・・・言うとおりにするよ・・・」
私はニコっと笑って「じゃあまたね、直人」と言ってホテルを後にした。
直人が・・・手に入った。
初めて私は優越感に浸ることが出来た。これで、アンタたちもおしまいよ。
嬉しくて飛び上がりそうな気持ちを押さえながら駅に向かって歩き出した。
その後は課長よりも直人を呼び出しては朝まで過ごす時間が増えた。
その頃、課長も家庭が忙しかったのかたまに誘われたがドタキャンされる事が多くなっていった。でも私には必ず呼び出せば来てくれる直人が居た。
みさこは気づいているのだろうか・・・?それを想像するとまた笑いが止まらなくなった。私はもはや嫉妬や色んな感情で狂っていて自分が壊れていることに気付かなかった。
みさこに女と映っている直人のSNSの写真を見せたが、あまり効果はなかったように思えた。・・・せっかく撮ったのにな。
そんな時、会社で直人にせまってみたところを、ついにみさこにバレてしまった。
正直、ようやく気付いたか、って感じだった。気付くの遅すぎだし。
それがきっかけだろうが、直人は私の呼び出しに応じなくなった。
きっともうあの二人は終わっただろう。
始めはざまぁみろって思った。でも、日が経つにつれ虚しさは増すばかりだった。
そしてまた、課長との関係を続けてしまっている。
課長がホテルを出た後前より虚しさを感じてる気がする。
結局の所私は幸せではないからだ。
愛し合ってる時間は一瞬で、その時が過ぎると以前よりずっと孤独感に苛まれた。
どうして・・・
私は唇を震わせ、ベッドで小さくなりながら目を閉じてひたすら一人で朝を迎える。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます