第21話わたしとカレ

日付が変わるころ、落としていた電源を入れた。

会っている時間は俺だけを見て欲しい、と彼が言うからいつも電源を切っていたが今は彼がシャワーを浴びているので音のする間電源を入れてみた。


するとまさかのみさこからの着信と留守電が入っていた。

留守電を聞いてしばらくベッドに仰向けになりホテルの天井を見上げた。

なに・・・?アイツ。今更何を話すっていうのよ。


それともようやく私に対して文句の一つでも言おうとしてるのかしら。

はっ!・・ないない。あんないい子ちゃんが文句の一つも言える奴だったらこんな事になってないし。


私はずっとみさこが嫌いだった。

出会った時は同期4人でよく飲みに行ったりご飯に行ったり会社の愚痴をよくこぼしていた。でもみさこはいつも私が上司に注意されたことを愚痴っても

「それはあゆみの為を思って言ってくれてるんだよ!それはありがたいと思わなきゃだよ」と私の事を肯定せず、いつもバカみたいに空気の読めない発言をしていた。

不快だった。


それなのに同期の直人がみさこの事を好きだとか私に相談してきた。

なんで・・・?なんであの女なのよ・・・?

直人の事が気になっていた私は嫉妬でおかしくなりそうだった。

どうにかして二人がくっつかないように色々と策を練って実行してみるも

しばらくして二人が付き合うことになったとみさこから告白された。


表向きは直人の事を応援してたフリをしていたしみさこの友達のフリも上手くやっていたと思う。でもそのせいで3人でご飯を食べに行ったり飲みに行くことが増える度に私はどんどん心が汚れていくのが分かる。


どうしてみさこみたいな外面のいい子ばっかり得して私みたいないい女にはいい男が寄り付かないのよ!

私に寄り付く男と言えば体目的の既婚者ばかり。

でもあの幸せそうな二人をもう見ていられないから無理やり今の彼と付き合った。

もちろん既婚者だし、そこに愛情など、ない。


でももはやどうでも良かった。私はいつものように彼と逢瀬を交わした。

シャワーの音が止んだので一旦携帯電話の電源をオフにする。

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