第16話わたしとカレ⑯
昨日、あゆみや直人の事でさんざん傷付いたが、今は清々しい気分だ。
だけど、やることがたくさんある。
私は気合いを入れて会社に向かう為、家を出た。
「おーい直人!課長が報告書まだかってさっきお前の事探してたぞ」
隣のデスクの先輩に言われ
「あー・・・しまった!提出し忘れてました!すみません!」ガサガサとデスクの上を探し始める。ふと、携帯を見るが昨日のみさこからの返事はない。
あーあ。どうしてあんなことしちゃったかなぁ・・・俺。
二か月前、珍しく相談があるとかってあゆみに言われて二人で飲みに行くことになった。みさこに言おうか迷ったが何となく、言わずに二人で飲みに行ってしまった。
最初はあゆみの彼氏の恋愛相談に乗っていたがそのうち、お互いの終電もなく
酒も入ってか、流れでホテルに行ってしまった。
朝起きてとても後悔したが、あゆみは「私だって彼氏いるし。黙ってれば分からないわよ」とあっさり言ったので俺は黙ってることにした。
だけど、あゆみは事ある毎に俺を呼び出し、それに応じないとみさこにバラすと言ってきた。それに俺がホテルで寝てる写真も見せられた。
俺は何度かみさこに言おうと思ったが・・・とうとう言えなかった。
あゆみもあゆみの彼氏が誰なのか教えてくれないし、そもそもいるのかさえよく分からない。その話になると不機嫌になり「うるさいな!みさこに言うよ」と言われるので、それ以上何も言えなかった。
しかしこないだ会社でのあゆみとのやり取りをみさこに見られてしまった。さすがにバレたと思ったがみさこは許してくれたようだった。
それなのに昨日のメールの返事が・・・ない。
ふぅーっと溜息をついてもう一度メールをしようか迷った。
すると、メールが受信された。まさかとは思ったがメールを開く手に力が入る。
‶今日、仕事終わったら会えないかな? みさこ〟
良かった・・・みさこは気にしてないようだな。俺はすぐに返事を送る。
‶もちろんいいよ!終わったら、連絡するから。 直人〟
送り終わってから嬉しくなり仕事に力が入る。
会社でみさこにあゆみとの事を見られてから、あゆみからの連絡はない。
さすがにまずいとおもったのかな。そうこうしてるうちに終業時刻になり「お疲れさまでーす!」と元気よく挨拶をし、部署を後にした。
エレベーターのボタンを押し、すぐにみさこにメールを送った。
すぐに返事が来て、向こうも今出る所ということで会社の入り口付近で落ち合うことになった。
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