第7話わたしとカレ⑦
-私は私自身が落ち着く為、台所でお茶を入れ始めた。
その間おじさんはソファーでゴロゴロし始めて嫌だったが色んな事が起こりすぎて
もはや考える力もないまま無心でお茶を入れ「どうぞ」とおじさんにお茶を渡す。
「おう」おじさんは受け取ると美味しそうにズズッズズッと緑茶を飲み始めた。
床に座りお茶を飲み少しだけ冷静になりこのおじさんをよくよく見てみた。
・・・このおじさん・・・だいたい50代位か・・?
髪の毛はボーボーに伸び切っちゃって至る所白髪混じりだしどう見ても洗ってなさそう・・・しかも体も泥みたいなので汚れてるし、布で原始人みたいな巻き方してるし裸足だし・・汚い・・・
においも臭そうなのにそういえばさっきから何もにおわない・・・なに?無臭なの・・・?
思い切って切り出してみた。
「・・・あの・・・・・おじさんは・・・・一体何者なんですか?どうしてうちにいるんですか?」
おじさんはテーブルにお茶を置き、静かに話し始める。
「おれはなぁ・・・アンタの心の汚れを取りに来たんだよ。・・・なぁ、加藤みさこさんよぉ・・・アンタは今真っ黒に汚れちまってるからなぁ・・・・友達にも彼氏にも裏切られてよぉ・・・」
・・・・え!?何でそれ知って・・・?
「何で私の名前・・・・!?第1話から名前公表してないのにっ!それに・・・どうして・・・!?」
「守秘義務や!」おじさんはきっぱり言った。なに・・・・?なんなの・・・?
「なぁ・・・ねーちゃんは彼氏の事好きだったんか?」
「そ・・・そんなのあなたに答える必要ありますか?だいたいなんなんですか勝手に家に上がり込んで私の事知ってるとか・・・恐すぎます!」
「せやから、おじさんやって言うてるやん」
「ただのおじさんがどうして私の事いろいろ知ってるんですか!どうやって家に入ったんですか!?え!?空き巣!?もしくはストーカー!?」
身の危険にもう一度気づき携帯を充電したが、やはり画面は真っ暗・・・
「もう!何がどうなってんのよ!」
「まぁ・・・今日はもう遅いし、また明日いうことでしばらく厄介になるで。ほな、おやすみ」そう言っておじさんはそのままソファで寝ようとしたので
「ちょっと!ほんとに出てって下さい!」と腕を掴もうとしたらおじさんが私の顔の前で両手を叩いた。
んなっ!!
猫だま・・・・・・し・・・・?私はそのまま意識を失った。
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