応援コメント

5-3 暴食令嬢は亀裂を見る」への応援コメント


  • 今回のお話もとても楽しく読ませていただきました。

    特に印象深いのは、ヴォルフラムさんの『食べ方』です。
    以前、初めて温室でヴォルフラムさんと出会ったときの食事では、ヴォルフラムさんは自分から手を伸ばして、サンドイッチを手に取りました。

    そのときも、読んでいてとても感動したのを覚えています(ヴォルフラムさんが自分から手を!しかも、ヴォルフラムさんが食べ慣れない味のものを!……と)。
    ですが今回は、ブランシェさんが差し出したパウンドケーキを、手で受け取る……のではなく、ブランシェさんが持っている状態でかじりつきました。

    そういう食べ方をするということは、言うまでもなく、ヴォルフラムさんがブランシェさんに対して良い意味で遠慮していないということで……

    しかも、聡明なヴォルフラムさんであれば、もしブランシェさんが自分のことを嫌っているのにそんなことをすれば、ブランシェさんが嫌がるということも想像できていたはずで。
    その上でかじりついたということは、ブランシェさんは(驚くかもしれないけれど)嫌がることはしないだろうという想像があったのかな、なんて思いました。

    実際にブランシェさんが嫌がっていないことは、赤くなったその表情ではっきりとわかります。
    『やや遅れて』赤くなるブランシェさんがとてもかわいらしくて。
    同じ温室で、食べ方が変わることで、2人の距離感の違いが感じられるのが、ほんとうに巧みな演出ですばらしい……感動しながら読んでいました。


    チェルニーさんのことで精神的に疲れてしまっているヴォルフラムさんも、おいしいパウンドケーキがあって、かわいらしいブランシェさんのいるこの瞬間、この時間だけは、心穏やかで過ごせているのかも……と、読んでいてほっとするのでした。


    次回を読ませていただくのも楽しみしております。
    ほんとうにありがとうございました。

    作者からの返信

    お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    ヴォルフラムの食べ方の変化には、彼の心境の変化や2人の距離感の変化といったものを込めていました。
    なので、印象に残ったシーンとしてそこをあげてもらえて嬉しく思っています。
    ここはヴォルフラムにとってささやかな癒やしの時間として描写しているので、一緒にほっとした気持ちになっていただけたのであれば、そちらも嬉しく感じています。

    また次回も、お時間のあるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    こちらこそありがとうございました。