第8話 ダンジョンとは
<< Kaie side >>
俺がいた世界の
本来はプラントを制御するために造られた
この
あとは本人に訊いて、確かめるだけだな。
「なあ……おまえは自分が何のために造られたか知っているか?」
「貴様は……何を訳の解らないことを言っている。我が何者かによって造られただと? 我は
やっぱり知らないか……俺の世界の
「
俺には魔力が見えるし、『
「だから、貴様はさっきから何を訳の解らぬことを……人如きが我の地下迷宮を破壊したことを、後悔させてやるわ!」
奴が発動した上位魔法は『
ステラの周りに多重結界を展開して、安全は確保済みだ。俺は二本の漆黒の剣を具現化すると、『
「な、何だと……剣で我の魔法を切ったのか?」
「ただの剣じゃないけどな……俺の魔力を具現化したんだよ」
俺がもう一度剣を振ると、少女の
「次は容赦しないけど……まだ続けるか?」
反応すらできなかったことに、奴は唖然としていた。まあ、本気で殺すつもりはないよ。こいつが死んだら地下迷宮が機能しなくなるからな。これだけ実力の差を見せつければ、馬鹿じゃなければ諦めるだろう。
「我の髪を……貴様だけは絶対に許さぬ!」
あ……馬鹿だった。
「おまえさあ……俺の実力が解ってないだろ?」
「五月蠅い、人如きが! 多少力があるからと自惚れおって!」
奴は二つの『
仕方ないか、こういうやり方は好きじゃないけど……俺は奴を威圧するために、認識阻害を解いて自分の魔力の一部を解放する。さすがにここまでステラに見せると後が面倒だから、その前に多重結界に細工をして視界を塞いだ……
「カイエ、大丈夫ですか……え?」
視界を塞がれたステラが最後に見たのは、二つの
「カイエ・ラクシエル様……このエリザベス・シュタインに何なりとご命令ください!」
「いや、命令なんてしないからな。エリザベス、おまえはこれまで通りに地下迷宮の番人としての仕事をしろよ」
「畏まりました、
「カイエ……これって、どういうことですか?」
ステラがジト目で見ている。
「どういうことって……地下迷宮の主を服従させただけだけど」
ラスボスなんて倒したところで、得るモノは大きめの
「地下迷宮の主を服従させたって……」
ステラの目には、エリザベスは結構な化物に見えているだろう。無詠唱で上位魔法を連発する
「まあ、それは良いとして……ステラ、俺が言う話じゃないどさ。今日見た事は全部、エミルに報告して構わないからな」
一番面倒になりそうなことは隠したからな。今日使った魔法や地下迷宮の主を服従させたことくらいエミルに知らても構わない。あの自惚れが過ぎる王女様が、どんな反応をするか見ものだな。
「はい、解りました……カイエには申し訳ありませんが、私は宮廷魔術士ですから。エミル殿下に全て報告させて貰います」
本当に申し訳なさそうな顔をするステラに、俺は苦笑する。
「いや、おまえが気にする必要なんてないって。そんなことよりさ……クロムウェル王国には、まだ他にも
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